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最も参考になったカスタマーレビュー
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
変節と首輪 1,
By 沈思黙考 (兵庫県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 黒い輪―権力・金・クスリ オリンピックの内幕 (単行本)
本書は、解説に大変な含蓄がある。アディダスのダスラー、IOC会長サマランチを揶揄した原題"The Lords of the Rings (五輪の貴族たち)"の Lord(卿)とは、 いわゆる公侯伯子男の中で、最下位の男爵を呼ぶときにだけ用いられる称号であり、商売などで大成功を収めた新参者に与えられる爵位にすぎないため、 原著者が身を置くヨーロッパ上流社会では、成り上がりという意味で、軽蔑の表象でもあるのだと指摘したうえで、広瀬氏は、 では、より高位の由緒正しき貴族に問題は無いのか?と問い、否、由緒正しき貴族にこそ、より根本的な問題があると絵解きしてくれる。 広瀬氏によれば、IOC最大の癌は、決算報告書を出した例がない「IOC財務委員会」である。 IOC理事会を事実上支配しているのは、オリンピック最大の収入源であるテレビ放映権を差配するIOC財務委員会であり、 IOC財務委員会委員長を永らく勤め上げたジャン・ド・ボーモン伯爵(Count Jean de Beaumont)を、 原著者の限界(いかにも目立つサマランチの腐敗とは対照的に、原著者が触れないヨーロッパ世襲貴族の蓄財の術)を示す好例として縷々説明している。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
変節と首輪 2,
By 沈思黙考 (兵庫県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 黒い輪―権力・金・クスリ オリンピックの内幕 (単行本)
フランス東インド会社の中枢を占めたボーモン一族の一員であるジャン・ド・ボーモン伯爵は、インドシナ銀行重役、カンボジア商会社長、トムソンCSF重役など、多彩な植民地経営と軍需産業で私財を築き上げた紛う方なきフランス上流貴族であり、 最高位ブロイ公爵家に連なる由緒正しき家柄の出身である。 原著者は、サマランチをフランコとの旧縁に結びつけ、ファシストと非難しているが、一方で、ユダヤ人を迫害した フランス人ファシスト:ペタン元帥(ナチスの傀儡ヴィシー政権のトップ)を支持したジャン・ド・ボーモン伯爵の過去には、触れていない。 サマランチへの辛辣さに引き比べ、上流貴族に対して原著者が示す不可侵の態度は、アラブ(パレスチナ)= 悪 という親イスラエル的態度と相俟って、 反ユダヤ主義者(ボーモン伯爵)がユダヤ王ロスチャイルドと相互にもたれあう形で戦後のヨーロッパ上流社会をつくってきた史実の見事な隠喩である。 ユダヤ王ロスチャイルドが、過去の犯罪歴(サマランチ(ファシスト)、ボーモン(反ユダヤ主義))を買い取って、変節させ、 首輪をつけて動かす構図は、日本の戦犯に首輪をつけたアメリカ様と全く同一である。広瀬隆著「パンドラの箱の悪魔」との併読をお勧めする!
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