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この作品は、冒頭から、白血病は誤診で実は肺炎だった、ということで退院した直後のダルグリッシュ、というから期待。病み上がりで頑張る。(どうやったらこの2つを誤診できるのかわからないが、作者が関係施設に勤務していたこともあるので、実際にあったことかもしれない。)
海辺の医療施設で起こる殺人。施設が「黒い塔」なのか、タイトルも象徴的だ。病んだ心に囲まれて、毎度ながら難問に挑むダルグリッシュ。そしてダルグリッシュ警視シリーズ毎回のお約束、ラストのアクションも迫力満点だ(何故どんな事件でも、それまでひたすら頭を使ってきたのに、必ず最後は彼が体を張ることになるのだろうか?)。
シリーズの中でもかなりディープな一冊。
病気から快復したものの、すっかり現実の世界に隔意を感じてしまっているダルグリッシュ自身のことなのだろうか。 病気による障害のために、好むと好まざるに係わらず施設で過ごさざるを得ない(得なかった)入所者たちのことなのだろうか。
自分のエゴを満たすために皆を騙し、支配しようとした施設の所有者のことなのだろうか。 それとも。
どれかであり、どれでもあるのだろう。 そして、『黒い塔』から解放されたとき、人々は。 いや、また別の黒い塔かなにかに囚われるのだろう。
どうも、推理小説的な感想にはなりませんね。
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