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黒いスイス (新潮新書)
 
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黒いスイス (新潮新書) [新書]

福原 直樹
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (25件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

永世中立国で世界有数の治安のよさ。米国などを抜き、常に「住んでみたい国」の上位に名を連ねる国、スイス。しかしその実態は―。「優生学」的立場からロマ族を殲滅しようと画策、映画“サウンド・オブ・ミュージック”とは裏腹にユダヤ人難民をナチスに追い返していた過去、永世中立の名の下に核配備計画が進行、“銀行の国”でまかり通るマネーロンダリング…。独自の視点と取材で次々と驚くべき真相を明かす。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

福原 直樹
1957(昭和32)年東京生まれ。毎日新聞外信部ブリュッセル(ベルギー)支局長。北海道大学法学部卒。82年に毎日新聞社に入社。東京本社社会部で警視庁や運輸省担当などを歴任。94年より外信部に移り、六年間、ジュネーブ(スイス)特派員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 206ページ
  • 出版社: 新潮社 (2004/03)
  • ISBN-10: 4106100592
  • ISBN-13: 978-4106100598
  • 発売日: 2004/03
  • 商品の寸法: 16.8 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (25件のカスタマーレビュー)
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123 人中、121人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 非常識なのはどちらだろうかと考えさせられる一冊, 2004/4/16
レビュー対象商品: 黒いスイス (新潮新書) (新書)
周りをフランス、イタリア、ドイツ、オーストリアといった列強に囲まれながら、なぜ小国スイスが近現代を生き延びることができたのかを考えさせられる一冊。「面積世界第132位、人口世界第93位の国家が、一人当たりのGNPで日本を上回り、失業率0.007%であるのはなぜか?スイスの永世中立を隣国が認めるのはなぜか?」という動機を持って本書を読むと、それは魔法でもなんでもなく、スイス人の気質とその政策から導き出される当然の結果であることが分かるだろう。軍事についてだけ言っておけば、スイスの民間防衛は世界一である。隣国は攻めないのではなく、攻められないのである。

日本とスイスのどちらが世界の非常識国家であるかは読者の判断に任せたいが、少なくとも自分の命を守ること、自らの勤労によって得たものを他人に奪われないようにすること、知らない人間よりも家族や隣人の幸福を優先して考えることに関してスイス人が日本人よりも「真面目」であることは疑い得ない。そうしたスイス人の気質は本書ではマイナスに評価されているが、知っておいて損はないことが多くかかれていると言う意味で星四つ。
しかし「美しい理想国家のウソを暴く」だけではもったいないと思う。読んでからいろいろ考えてもらいたい一冊である。

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63 人中、61人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 普通の国スイス, 2005/2/19
By 
簿記受験生 - レビューをすべて見る
(殿堂入りレビュアー)   
レビュー対象商品: 黒いスイス (新潮新書) (新書)
大戦中ナチスに裏協力した永世中立国としてスウェーデンとスイスが良く知られている。平和国家としてのイメージの強いスイスの暗部を取り上げることでこの国を多角的に見る視座を与える本で、決してスイスをこき下ろしたりする意図は著者にはない。しかし事実を知らなかった人には、ロマ(ジプシー)への優生学的処置、避難ユダヤ人の追い返し、核開発、外国人に極めて排他的な国民性、そして世界中の国家や犯罪組織が利用するスイス金融機関におけるマネーロンダリング天国の事実を突き付けられると、正直辟易するかもしれない。この本で分かることは、この国は小国であって中立という建前と上のような処世的な本音を使い分けなければ、生き延びられないという「普通の国」であるということかもしれない。
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23 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 欧州のなかのスイスの位置づけを知りたい方に, 2007/11/24
By 
SHINOX (横浜市金沢区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 黒いスイス (新潮新書) (新書)
スイスについて、アルプスに囲まれた観光産業に依存した永世中立国という牧歌的イメージしかない方が、スイスの現代史を知りたいと思ったときの入門図書としては、最適だろうと思う。大手新聞記者特派員として6年間スイスに駐在した著者が、地道な取材をした上で著しており、その内容の信頼感は高く、一方でその語り口は、歴史の断面を伝えたいという情熱に溢れている。

『黒い』とは、大国に挟まれた小国が独立を維持し続ける為には、時には、悪魔とも交渉せざるを得ないという国際政治のリアリズムのことであり、また内政においては、『中立』という国是・国益を優先する為にスイスの一個民の人道的善行を犯罪であると断罪せざるを得ないときもある、という政治の限界を指している。つまり、スイスも、自国の利益を最優先に考えるごく普通の国の一つである、というこであろう。

以下、各章のポイントを記す。
1章: ロマ族に対する誘拐(民族殲滅)の活動は70年代まで政府の支援により継続した。ロマ族殲滅の思想は、ナチズムの影響が背景にある。
2章: 第二次大戦中、ホロコーストの存在を知りながらスイス政府はナチスドイツからのユダヤ人難民の受け入れを拒否し、事実上、ナチスドイツ政府のユダヤ人虐殺を黙認してきた。スイス国内へのユダヤ人流入を嫌った、スイス政府の自国の利益の為の行動としてである。スイス政府が公式に謝罪したのは、95年になってからからである。
3章: 第二次大戦中、個人の人道的覚醒により、ファシズムと戦い、またユダヤ人難民をスイス国内に受け入れる活動をしてきた人々がいた。しかし、スイス政府は、彼らを犯罪者として扱った。今でも、名誉回復がなされていない人がいる。
4章: 冷戦の集結の頃まで、スイスは核武装を計画し、その準備を進めてきた。核の傘に入ることのできない中立国として、自国の防衛が目的である。
5章: 異分子の流入を好まない市民感覚や感受性が、極めて強い。政府には、強力な公安活動機能が存在する。
6章: ネオナチズムの若年層への広がりや、ヘロインなど薬物中毒者の増加。
7章: EU非加盟や移民排斥を強く唱える、民族主義政党の台頭。
8章: マネーロンダリングの温床となる、秘密主義を売り物とするスイスの銀行。
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