津島佑子『黄金の夢の歌』
サハリン島の南半分は日本領だったので、そこに住んでいたニブヒ(以前は、ギリヤークといった)、そしてアイヌも「日本人」として扱われ、日本の敗戦にともない、かれらは北海道にいやでも移住しないわけにはいかなかった。
『黄金の夢の歌』は、柄谷行人氏が朝日新聞の書評で
初めて小説を対象にした作品という。
しかし、筆者がキルギスを訪れた事を記したエッセイ風だ。
バイカル湖の話で、日本人の原型となった人々が
バイカル湖周辺から日本に渡って来たという説を思い出した。
その方向の移動ではなく、どちらでもない地点から分れて
バイカル湖と日本に向かった可能性はないのだろうか。
全編、普通なら地の文で「わたし」となると思われる人称が
「あなた」となっているのがユニークだ。
読んでいて、自分が場面に放り込まれ
自分にない記憶を呼び起さなくてはならない気になる。
ギリヤーク(村上春樹『1Q84』)、漢族の話などは
丸川哲史氏が講師をした今年3月の長池講義や
柄谷氏が最近、関心を持っている人類学と接点が多く
柄谷氏に書評される為に書かれた気さえする。
津島佑子さんは脱原発デモに来られたようです。
ニブヒと二風谷、イヌイット(アラスカ東部のエスキモーという)とアイヌの
関連はどうなのだろう。