舞台設定はいたって普通の日本。銃刀法がいくらか緩和になったものの、人々の生活は大して変化はしていない世界。単純に銃器が身近になっただけで、世の中はちょっと荒っぽくなってはいるけれど、この物語に書かれる人達の心の在り方は、いまの人たちと何ら変わりはしない。
あまり身近でない要素は、黒社会…ではなくて、ヤクザの一人娘が物語を引いていることにあるだろうか。
とはいっても、僕のクラスメイトにもそういう娘が一人だけいた。
だからってわけではないけど、人が言うほどこの物語は非現実的ではなくて、むしろ意外な程に身近なことがこの作品に書かれている。
そして何よりも、ガンスミスの星さんが、紅花に使わせる銃にあれやこれやとカッコ良さのこだわりを見せていたのが何とも好かった。
男ってのは何時まで経ってもガキなんだよね。後書きを見ても、ああ、この人はやっぱガキなんだなって思った。
ここに書かれているのはあまりにも身近なこと。確かに、「サダメ」に抗うために、人を殺せる道具を手にして女の子が戦うなんてこと、この国ではまずないかも知れない。
それでも、「生きることは常に戦うことに違いない」と誰かが言った。
自分で自分の舵をとる。これはホントに大事なこと。そうして行く先には、必ず誰かとぶつかる事になる。もしかしたらそれは、自分よりも強い人間かもしれない。それでも自分の意思を放り出さない。それもまた戦い。
意思を持たなかったら、ただ単に誰かに首輪をつけられて生きているだけ。だから、『本当に生きる』ことは戦う事なんだ。ガキでもそれはわかってる。いや…実際はわかってるんじゃなくて、無意識のうちにそうしてるんだと思う。
この本を読んだなら、少しでもこの物語を身近に感じて欲しいと思った。