- 【 講談社ストアはこちら 】 -累計750万部を突破した大人気コミック『宇宙兄弟』や、『のだめカンタービレ』や『ホタルノヒカリ』といった名作を次々と生み出した雑誌『Kiss』の20周年特集など今注目のタイトルや特集は講談社ストアへ。
たとえばロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々』を題材にした表題作は、読書の醍醐味そのものを再発見させてくれる。主人公の女学生は、流れていく日々の生活の中で『チボー家の人々』をゆっくりと読破する。極端に言えばただそれだけの物語。しかし、だからこそ『黄色い本』には、本を読む習慣のある人間にとってたまらない感動が詰まっている。いい本に出合い、その世界の中に没入して読みふけり、ある種のせつなさと共に読み終える。この一連の流れの中で抱く読者の複雑な気持ちが、さりげないあの手この手によって見事に再現されてゆく様の、なんとみずみずしく美しいことか。
ほかに収録されているのは、縁の不思議を絶妙に描く2つの短編と、オリジナルとは視点を切り替えて描かれた冬野さほの短編漫画のカバー。どの内容も、一度読んだだけではとても味わいきれないほど奥が深い。よく理解できない箇所があっても、描写を手がかりに想像を駆使しつつ読み込めば、見えてくるものがある。そして、ああ、そうだったのか!と一度感動したら、また何度もじっくり読み返したくなる好循環。まさに一生ものの1冊。(横山雅啓)
登録情報
|
どこかの書評に「主人公は家に居場所がなく、読書に逃避し就職を決意」と書いてあったのですが、読んでみると、主人公がジャック・チボーに寄せる思いは思春期特有の甘い疎外感で、けして現代の家庭のような親子の断絶ではない。むしろ主人公の父は、娘とその愛書「チボー家の人々」を暖かく、そしてシャイな新潟県人らしく無骨に受け入れてます。主人公の心の動きはまさに「親離れ」しようとする思春期の少女の発達段階を示していると言えるのではないでしょうか。「黄色い本」は、題材となった「チボー家の人々」と同様、ながく読み継がれていく作品だと思います。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|