60年前に行方不明になった息子、病気で亡くなった妻、喧嘩に巻き込まれて死んだ夫・・・すでに死んでしまった人が、突如飛来した隕石の不思議な力で、次々によみがえる。死人が生き返るというと、どうしても呪術的魔術的イメージに引きずられてしまうが、隕石というSF的な設定が、例えば『死国』のようなオカルトに陥ることを防いでいて、まずアイディアとして成功している。
本作のテーマは「もし、亡くなった大切な人が返って来たら、あなたならどうするだろう」と問うことである。しかしこの設問は実は、「もし、大切な人と死に別れなければならなくなったら、あなたならどうするだろう」という設問とまったく同じなのである。
キューブラーロスの「死の瞬間と死後の生」という名著がある。死に逝く者と残される者がお互いに理解しあって穏やかで満ち足りた死を迎えることの大切さを説いたものだが、この本の読後感と、本作品を見終わった感動は非常に似ている。
なぜか。それは、どちらも生と死を両側から見つめあう構造になっているからである。本作のテーマは、したがって、生と死の境界に何を見出すのか、ということなのである。
映画としても、ヒューマンドラマでありながら、プロットがサスペンスのように巧みで、あきさせない。何組もの蘇った人たちを描いていながら、そのどれもが情感にあふれていて、丁寧に描かれており、ちゃんと感情移入していける。
ストーリーとしても映画としても、よくできた作品だと思う。まだ見ていない方は廉価版がでたこの機会にぜひ、どうぞ。きっと、穏やかなやさしい気持ちになれるはずである。