黄昏色の詠使いの9巻です。
黄昏色の詠使いという物語を象徴する、透きとおった切なさと愛しさにあふれた巻でした。
この巻では特にネイトの成長に心打たれます。母から学んだ名詠式とは別の、自分だけの名詠式とはいったい何色の詠なのか。次巻への歩みを予感させつつ、9巻最大のテーマでもあったと思います。
そんなネイトの、第二楽章のラストシーンでもあるクルーエルとの「迎えの約束」、そしてアマリリスとの別れは、私にとって黄昏における最も印象的なシーンとなりました。
またカインツとファウマの「詠えない名詠士」にまつわるエピソード、第一楽章の敵であるあの「敗者」の再登場など、物語を支えるキャラクター達の大事な場面がぎゅっと詰まったお話でもありました。
後書きによると、次の10巻が最終楽章にして最後の物語であるとのこと。
ネイトとクルーエルが最後にどんな結末を迎えるのか。二人が幸せな未来を描けるエンディングであることを信じ、最後まで見届けたいと思います。