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麻雀放浪記(三) 激闘編 (角川文庫 緑 459-53)
 
 

麻雀放浪記(三) 激闘編 (角川文庫 緑 459-53) [文庫]

阿佐田 哲也
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 文庫: 313ページ
  • 出版社: 角川書店 (1979/10)
  • ISBN-10: 4041459532
  • ISBN-13: 978-4041459539
  • 発売日: 1979/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By TaroTaro トップ500レビュアー
この激闘編に登場するギャンブラーは皆、キャバレーの経営者、金融業、インチキ出版社の経営者など裏街道ではあるが皆本業を持っている。ギャンブルは小遣い稼ぎであり、全てを賭けるものではないと考えている。出目徳の息子に三井にいたっては、ギャンブラーとしての父親の生き様を全く認めていない。時代の移り変わりである。

坊や哲も給料取りになるのだが、どうしてもサラリーマンにはなりきれず、アウトローの匂いを撒き散らしている。やはり、自分で決めたルールには忠実であろうとするが、時代がそれを許さない。

この作品には「青春編」で登場した人物も描かれている。女衒の達、ドサ健、そしてなんといってもチン六である。この作品のラストは、バラック小屋での坊やとチン六達のチンチロリンのシーンとなっている。坊やも含めて落ちぶれた男達である。このシリーズはチンチロリンのシーンで幕を開けるのだが、このラストも、時代の流れに乗れない男達には相応しいシーンである。

「青春編」に始まったこのシリーズは、「風雲編」を経て「激闘編」で一度区切りとなるのだが、その後「番外編」と続く。本当の完結はこの「番外編」である。その後発表された「新麻雀放浪記」は別の作品である。「青春編」から始まる4作品は、何度読んでも飽きることがない、日本が誇るエンターテイメント小説である。

作品の内容とは関係ないが、やはり、阿佐田哲也の作品のカバーは黒鉄ヒロシの絵が最も似合う。阿佐田哲也の作品の世界にピッタリの絵であるのと同時に、作品の主題を明確に表現している。
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By sasabon #1殿堂 トップ10レビュアー VINE™ メンバー
麻雀小説という範疇に収まらない痛快なエンターテイメント小説です。1970年前後に巻き起こった麻雀ブームの火付け役はまさしく『麻雀放浪記』の登場と共に起こりました。盛り場には雀荘があふれ、4人寄れば卓を囲む、というのが庶民の娯楽でした。『麻雀放浪記』は最初、双葉書店から新書で発行されました。牌の並びが活字の中に取り入れられたのも新鮮でしたし、特殊な才能ともいうべき積み込み技も魅力に感じたものです。

激闘編は「銀座の雀鬼」からスタートします。阿佐田哲也自身が雀鬼と称されたこともあるわけで、実に魅力的な打ち手が次々と登場します。この頃芸者牌と呼ばれたドラ牌が生まれたのを本作で知りました。鎌ちゃんの三元牌の積み込み技は後の展開にも効果的に使われています。面白い技です。烏金と呼ばれた高利貸しも登場しますし、車の鍵のエピソードも実に面白く描けています。

業界紙の会社に就職するというのも作者が後に出版社に勤めた実話から来ているのでしょう。「ホッカイドウ」と呼ばれる外ウマの乗り方も奥深さが伝わってきます。このあたりの描写もそれを体験していないと書けないエピソードでしょうから。エンターテイメント小説には熱い血が通っています。

北鎌倉の妾宅での話も実話のような趣が立ち込めている所に阿佐田哲也の筆力を感じます。ピカレスクロマンと言われていますが、これほど博打場の空気感を切り取った小説はまずないです。
麻雀を知らなくても面白いですし、実際ルールを知っていればなおのことその魅力に引き込まれます。最初の出版から40年経過しましたが、今読んでも夢中になれるという希有な作品でしょう。
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終着点、 2012/3/13
By cobo
風雲編からの続きです、そう東京に坊や哲が帰ってきます。青春編から数年が経過していますので、多少東京も様変わりしていて、それでもバイニンたちは麻雀で生きています、生活ではない、生きるという単純な行為を行っているのです。しかし古臭いやり方、坊や哲の知るやり方は何処でも食べていきにくくなり、それだけ麻雀が大衆の中に浸透していった結果なんでしょうけれど、難しくなり、そんな時に・・・というのが冒頭です。

戦後の社会の成長が認められ、麻雀という賭博が娯楽になり、そのせいもあって徐々に賭博が、バイニンが生きる事が難しくなる世界で、それでも妥協点を探し、ある意味一匹狼をやめてまでいく様に、社会の変化の度合いの早さを感じます。そしてそこに馴染んでいけない人間も、もちろんいますし、だからこそのあがきだと思います。

それでも坊や哲やドサ健、そしてあの息子の登場など、やはりキャラクターが多彩であり、どの人物も一家言ある打ち手、バイニンであり、玄人とは少し違う、生きていること、こそに意味を見出し、その生きる糧の全てを麻雀に注ぎ込んでいる男(というよりもココは漢とかいてオトコと読ませるタイプのおとこ)たちの世界の、そしてある意味終着点を見せ付けてくれます。

まだ、番外編が残っているのものの、この最後の場面で、ロンドのように閉じた展開になる上手さは素晴らしく、また読ませるチカラのある作品です。

エンターテイメント性の高い、しかしある世界を如実に描いたピカレスクロマンの結末、オススメです。
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