この本は、分厚く、とっつきやすいとはいえないかもしれない。しかし、素晴らしい。
ダルクという薬物依存症の回復施設を立ち上げた一人の男、元は暴力団員として覚せい剤を売っていた一人の男とその3人の子供、シンナーを使い続ける一人の男と翻弄されるその両親・姉、アルコール依存症の気持ちがわかるアルコール依存症の神父・・・1936〜1947年の間に生まれた4人の人間とその次世代の5人の人生を、現在に繋がっている一つの物語として、描ききっている。(名前や時代が混乱するようなら、簡単な家系図や年代表を書きながら読むとよいかもしれない)
アルコール依存症からの回復の経験が書かれ、その後のアルコール依存症者への道標となった「ビックブック」と呼ばれる本があるが、その本を思い起こさせるような、薬物依存症からの回復への光が描かれているように思う。