かわいらしい装丁からは、想像しなかったほど、
メリハリある内容でした。
というのも、お父さまが小麦の品種改良に携わっていらしたことから、
品種開発や輸入小麦の歴史的背景など、
かなり専門的なことまで小麦のことが書かれているのです。
でも、堅苦しい印象がまったくないのは、
基本的に「おいしい物をつくりたい」という視点で、
著者自身が、小麦について少しずつ調べていく…という
展開だから。
それに、ワインやパンに合うおいしい料理のつくり方が、
きれいな写真とともに紹介されていたりもするので、
途中でうっとりしてしまいます。
何より、
この本を読むと、パン好きな人は多いのに、
いかに原料の小麦については語られていないか、を痛感します。
単においしいパンのストーリーを書いた本は多いと思いますが、
産地の現状や、日本の農政まで考えさせられる内容でした。
ご飯だけでなく、日本に産地があるなら、小麦の産地や品種、地産地消についても、
もっと話題になっていくといいと思いました。
装丁から「すてきなナチュラル系パン屋さんのおいしいお話」を期待したら、
ちょっと違う内容かも。
おしゃれ云々ではなく、本気な本です。
(おまけ:読むと、おなかが空く!
著者のパン屋さんも、とてもおいしそうです!)