オードリー・ヘプバーンの可憐な美しさを堪能するために制作されたような映画でした。
ウィリアム・ホールデンの軽妙な演技は、喜劇を得意としたビリー・ワイルダー監督の意図通りだったでしょうが、ハンフリー・ボガートは役どころも実際の年齢にもかなり無理があり、オードリーの相手役としてはミスキャストでしょう。20世紀を代表する名優・ボギーの持ち味とは違う役でした。当初予定のケーリー・グラントならぴったりでしたが。オードリーの父親役でお抱え運転手フェアチャイルド役のジョン・ウィリアムズの渋い演技もたまりません。
DVDのメイキングでも触れられていますが、1953年10月から11月の7週間で撮影され、予算は約200万ドルだったようです。舞台の大富豪ララビー家となったロングアイランドの邸宅(豪邸)は、パラマウントの当時の社長宅だったというのはリアル感をだすのと同時に製作費の軽減につながったことでしょう。
映画の中で登場するサブリナ・パンツは世界中のファッションを変えたもので、イディス・ヘッドが本作でアカデミー衣装デザイン賞を受賞したのも当然でした。
オードリーがパリに行き、当時新進気鋭のデザイナーであったユベール・ド・ジヴァンシーと自ら交渉して入手したイヴニング・ドレスやパリ帰りの時の衣装などは、半世紀以上経って見ても素晴らしいものです。
オードリーとジヴァンシーの生涯の友情の切掛けになった作品でした。
節目に流れる「ラ・ヴィアン・ローズ(薔薇色の人生)」とオードリーの美しいフランス語もこの映画を魅力的に彩っています。