カバーには、こちらを睨む可愛げのない雄猫、外をいく軽装の若い女性が描かれています。この一匹と一人の主要登場人(?)物の恋愛模様が主軸となって物語が進むのですが、そこにわけのわからない事件が絡んできます。もちろん、十八禁な場面も交えて…と書くとどうみてもありきたりのどたばた喜劇にしか見えませんね。ところが、ちょっとでも本文を読むと、専門書まがいの注釈とメタフィクショナルな叙述の嵐に打たれるでしょう(訳者まで悪のりしてますし)。
「麗しのオルタンス」というタイトルも古風ですが(原題も古風です)、この手のメタフィクションの技法も推理小説ファンには懐かしさ爆発です。ブルバキの故郷を舞台にしたおかしな人たちのおかしくてハイブロウなアンチ・ミステリです。
これが売れて、オルタンスシリーズ残り二冊も訳出されるといいな。