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麗しき男性誌 (文春文庫)
 
 

麗しき男性誌 (文春文庫) [文庫]

斎藤 美奈子
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

これが男の興味を惹く“ツボ”だったのか―。モテたいオヤジ雑誌『レオン』、失楽園カップル二名様ご案内の『日経おとなのOFF』、世の中すべてご隠居の花見酒と化す『週刊新潮』など、男性誌31誌を俎上にのせ、ユーモア、皮肉まじり、お腹が痛くなるほどの快刀乱麻。雑誌にみる、日本男児の「麗しき」生態とは。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

斎藤 美奈子
文芸評論家。1956年新潟市生まれ。成城大学経済学部卒業。児童書等の編集者を経て、94年『妊娠小説』(ちくま文庫)でデビュー。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房)で第1回小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 332ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/06)
  • ISBN-10: 4167717336
  • ISBN-13: 978-4167717339
  • 発売日: 2007/06
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
単行本で出ていた時は、なぜだか食指が動かず、見逃していたのだった。それが文庫になったとあれば、読まずにおれない。

斎藤美奈子が「男性性」の追求に明け暮れた一冊、である。

なぜここまで男性性にこだわるのか、おちょくって止まないその追求の源は何か、解説の亀和田は「実はそれは近親憎悪」だったのではないかと鋭い指摘をしている。インテリ女性であるはずの斎藤は、はたしてオヤジ性やヤンキー性を色濃く持つおばさんなのであろうか。

どんな男性誌を俎上に乗せても、斎藤は常に目を光らせて、「男性性」を見抜こうとする。

斎藤にとって「男性性」とはたぶん「なさけなさ」のようなものだろう。なんだかんだと表面だけ取り繕ったってさあ、結局男は自分に都合のいいことばっかり考えているんでしょう。それが男性性でしょう。それは男性誌を見ればわかるわよ、この斎藤の手にかかれば。というところであろう。

「プレジデント」、「日経おとなのOFF(しかしなんつう雑誌名だろ)」「メンクラ」「レオン」「ターザン」などが印象に残る。男性誌は、女を締め出しているということで、「ヘン」がどんどん特化する。男どうしの間であれば、こんなにヘンなところまで行っても気がつかない、そこが笑いのもとになる。斎藤は、ここをつくのが天才的にうまい。

「ほら、おじいさんも、おじさんも、青年も、こんなに相当ヘンになってるわよー。大丈夫?」というのを、笑わせながら表現している、みごとなエンターテインメントだ(ナンシー関の次に)。

おちょくられた各誌が逆に喜んでいるというのも、斎藤の芸のうち、といえるであろう。
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By hanaohanao トップ1000レビュアー
形式:文庫
 斉藤美奈子さんが、昔アエラで連載していたコラムである。たまに女性誌を読んで仰け反るのと同じくらいに男性誌も深かった。各男性誌を読むことのコノテーションを、斜めから読み解き、みなに面白おかしく提示してくれる。作者の視点は、非常に女性的で、「女性が男性誌を解析するとこうなるよ」という本に思えた。けっこう毒舌だが、読んでいて気分が悪くならない。とはいえ「ブリオ」とか「大人の〜」とか「レオン」とか、実際に毎回購入し机上においている人は見かけたことがないし、みんなアイロニカルに「そんなわけないじゃーん」とか思いながら楽しんでいるのが実情だと、これまた皆わかっているわけですが。
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By 倒錯委員長 トップ500レビュアー
形式:文庫
本書は評論家の斉藤美奈子が、AERAで連載していた男性誌31誌を批評
するコラムを書籍化した単行本(『男性誌探訪』)の文庫版だ。

評者は男であるが、本書の中で斉藤の批評の対象になっている雑誌、「ス
ポーツグラフィックナンバー」や「ブルータス」などよく立ち読みする雑誌も訴
状にあげられていて、ドキドキしながら読んだ。しかし今まで知らなかった。
実は雑誌には「男性誌」や「女性誌」という明確な定義はなく、また男性誌
は女性誌のように格式張った「型」もなく、きわめて曖昧なんだそうだ。だが
評者は今まで、男性誌という定義があり、ナンバーもブルータスもその中に
すっぽりはまっているのかと思い込んでいた。裏を返せばそれくらい、各雑
誌の醸す女人禁制の香りに毒されていたということだろうか。

斉藤の批評の醍醐味と言えば、膨大な資料を読みこみ、その中からおそら
く作った本人すら気づいていないような「定型」を目ざとく見つけ出し(読者と
いっしょに盛大に)面白がろう、ということにつきる。本書でもその手法は健
在で、男性誌の王様「週刊ポスト」の二枚舌を「本音(エロオヤジ的劣情)を
建て前(知的なパパ的義憤)でコーティング」と喝破したり、当時全盛の「LE
ON」を小見出し「オヤジ、モテたい。以上終わり」でワンパンKOしてみせた
り、相変わらず愛ある毒舌が冴え渡っている箇所もある。

ただ、旧来の斉藤読者からすれば、少々本書の分析は「浅い」という印象を
残すのではないだろうか。このことは、著者自身「編集後記」と題したあとが
きで釈明しているが、いつもの細部に冴えわたる分析というものに出会う回
数は少ない。まあ、そもそも今回は対象が書き飛ばし読み飛ばしの雑誌メディ
アであるから、批評する側の底の浅さもしかたないのかもしれない。それに、
なんてったって斉藤がこの連載を執筆したのだって、AERAという立派な女
性誌だもんね。
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