1.原作は未読の映画ファンの方へ〜冒険小説史に燦然と輝くジャック・ヒギンズの傑作を、「大脱走」や「荒野の七人」のアクション派の名匠ジョン・スタージェスが映画化。第二次大戦末期、圧倒的劣勢だったヒトラーの、「チャーチルを誘拐せよ」との奇天烈で成功の望みなどない起死回生策に、文字通り命を賭けた男たちの熱いドラマが、ラロ・シフリンの勇壮なテーマと共に、アクションたっぷりに活写される。映画の中では、冷酷な敵役として登場することが殆どだったドイツ軍人たちが、誇り高く、勇敢で、騎士道精神旺盛な素晴らしい男たちとして描かれていて、感動的だ。M・ケイン、D・サザーランド、R・デュバル、D・プレザンス、A・クェイルらクセモノの名優たちの競演も見物。そして、どうか、映画を鑑賞された後は、是非、ロマンと香気溢れる原作の素晴らしさに触れて欲しいな。
2.原作のファンの方へ〜残念ながら、傑作小説を凌駕する映画は稀、との命題を踏襲した出来で、原作のダイジェストの域を越えていないアベレージ作。ただし、主演のマイケル・ケインと、ドナルド・サザーランドのハマリ振りは涙もので、冒険小説史上極めて魅力的なキャラクターの、“騎士十字章を受けた歴戦の勇士でありながら、ロマンティックな愚か者”であるクルト・シュタイナーと、“IRAの戦士にして詩人、そして、娘ほど離れた女性を真剣に愛するロマンチストで、偉大なる冒険家の最後の1人”であるリーアム・デヴリンが、まるで小説世界から抜け出た如く具象化されているのは感動的。私は、原作の大ファンであるが、映画での彼らの姿がラップし、この2人以外にはイメージ出来ないほどだ。