タツノコ40周年記念作品として送り出された寵児。
主人公や登場人物に、謎や制限を設ける事で、
人物像にも厚みが増し、物語もより魅力的になります。
日本のアニメで、勧善懲悪ではないヒ―ローを描かせたら、
おそらくタツノコの右に出る者はいないと思います。
まさにタツノコのお家芸ですね。
発売当初から1巻づつ購入していた自分の様な人には、
多少歯がゆい思いがあると思いますが、
当時からDVDには落としきれないであろう映像美と世界観に、
いつの日か必ずオリジナルに近いものが見られる日が来ると、
期待しておりましたが、やっとその日が来ました。
手書きのアニメーションと、シェーダがかけられ、丁寧に仕上げられた3Dの映像。
その融合は他に類を見ないほど質が高く、不自然さはありません。
火入れされた様に、有機的な鴉の瞳には間違いなくCGを超えた命が宿っています。
究極の2.5Dアニメーションを体感できる事でしょう。
先に述べたように、世界観や多くの謎はパッケージには収まりきらない質量だと思いますが、
水増ししている場所などは一つもありません。
どこを見せて、どこをシェイプすれば、見ている人に伝わるかといった意気込みが見てとれます。
全話を通して視聴できるのは、とてもありがたい配慮です。
ぜひ、劇場クラスの上質な作品をご家庭で楽しんで欲しいです。
『鴉 -KARAS-』ファンが増える事を祈っています。