『ご愁傷さま二ノ宮くん』の作者だということで、アニメを見て心底うんざりしてしまったために正直な話この人の本を読む気は皆無だったんですが、設定というかヒロイン2人が面白そうだったので読んでみました。
結論としては面白かった。
やっぱりアニメを参考にしてラノベは選んじゃ駄目ですね。
アニメ化が決まったらアニメを見る前に一度読んでみる、そうしないとアニメが駄作だと原作まで駄作に思えてしまうんだなぁと改めて思いました。
とは言えアニメの印象が悪すぎて今さら『二ノ宮くん』を読もうという気にもなれないんですが。
主人公が母親の出戻り、というか祖父との和解がきっかけで大財閥の後継者候補に返り咲いてしまいましたよ、という設定としては結構ありきたりというか王道というか、そういうお話です。
プロローグ部分は規格外で毒舌風味なメイドさんとたじたじな主人公という体で始まって、よくも悪くも今時のよくあるシチュなので正直そこまで面白いとは思えませんでした。
特に主人公が状況に流されるだけのへたれに見えたのが痛かった。
2人目のヒロインも「元はセレブで今は貧乏生活の同級生。財産目当てを公言して、隼人に近づいてくる」と紹介にあったので期待してたんですが、一時期は本当にやばかったんだろうけど今はそれなりに持ち直して中程度より少し下くらいなのかなぁくらいの貧乏度、というかそもそも貧乏っぽいシーンは皆無でした。
話の流れ的に2巻では杏奈に焦点を当ててくるんでしょうしそういうシーンも出てくるのかもしれませんが。
まぁ貧乏はともかく、どちらかと言うと後半の財産目当てに大期待していたんです。
主人公に対する恋愛感情なんてこれっぽっちもなくて、欲しいのは本当に財産だけ。
それでも生来の気性が悪いことをできるようにできていないのでいつも失敗ばかりのヒロインなのかなぁとか思ってたんですが、蓋を開けてみたら普通に主人公が好きなだけで素直になれないツンデレでした。
そういうヒロインが主人公に好意を寄せるようになっていく過程が見たかったのに。
中盤にさしかかる前に気分は既にorz状態だったんですが、持ち上げてくれたのはまさかの主人公でした。
っていうかただの優柔不断主人公だと思ってたよスマン!
中盤以降の主人公の巻き上げには舌を巻きました。
ラストの爆弾(発言)投下とか読んでてかなりいい気分になれました。
一人称視点のお話なのでこの時の主人公の心境もかなり好感を持てましたし、正直このシーンだけでも買った価値はあったと思います。
ただまぁ、それだけにプロローグがちょっと余計というか、中盤以降の主人公との違和感が大きいというか。
表向きは鳩子さんに押されつつも中盤以降で判明する主人公の本質部分を伏線的にでも醸し出して欲しかったなと、それが残念でなりません。
いくら事態の急激な変動に困惑していたと言っても、ちょっとただのへたれになりすぎてたと。
主人公の過ごしてきた生活からすると、そういう逆境でこそ真価を発揮するはずなんじゃないのかなぁと思うんですけどねぇ。
そこが納得いかないのでマイナス1評価です。