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鳩とは、女だけの寄宿学校に閉じ込められ、かたまって暮らす女教師や女生徒たち。そんな鳩の群の中に、猫が混じり込んで大騒動が持ち上がるのだが、鳩たちの眼にはその猫が見えない。そんな鳩の群の中に潜んでいる猫を探し出すため、終盤、ポアロが女だけの寄宿学校に乗り込み、関係者を煙に巻く鮮やかな着眼点から、一気に猫の正体と事件の真相を解明してみせるこの作品の出来は、なかなかのものだ。アガサの分身とも思える校長に熱く語らせ、実践させているアガサの思い描く理想の教育者像も、なかなかに興味深い。
中東のラマット国での革命勃発当日、国王は、自分が生き延びられなかった場合に備えて、一族伝来の巨額の宝石を国外へ持ち出してくれるよう、英国出身の友人に託す。宝石を巡る争奪戦は、国王の従妹で、唯一の近親にあたる王女が入学することになった英国の有名な女子校、メドウバンク校に、思いがけない余波を及ぼすことになる…。
ちなみに、ラマット国の革命は、当時、アガサが夫とともに、毎年のように遺跡の発掘作業に赴いていたイラクで、この作品が出版される前年の1958年に実際に起きた「イラク革命」の様子を描いたものであり、メドウバンク校の描写には、アガサの娘ロザリンドが通っていた全寮制の女子予科校の職員、生徒、日課などが生かされているのだそうだ。
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