というタイトルの示すとおり、鳥居に関して幅広く書かれているが、それらは学術的とはいえず、また系統だててもいない。だから内容が被っていたりするし、鳥居のルーツにしても様々な仮説をさらっと検証するにとどまり、特に持論を展開するでもない。
しかしそのことがこの本を名著たらしめている。鳥居版遠野物語とでも言うべき雑多さ。しかしこの柔軟な視点が、読む者に様々な意味を見出すことを可能にしているのだ。少なくとも私のような鳥居好きにはこのような本こそ鳥居本には相応しいとさえ思った。
鳥居に関しては本質的に未知なところが多く、しかしそれは日本の民俗性とも深い関わりを持つ。だから鳥居は自分なりに探求することに醍醐味があると思っている。参考文献も、鳥居探求の上で非常に参考になるし、鳥居入門には最適であろう。
写真も豊富だが、白黒なのが少し残念。