内容紹介
本書は,第I部 日本の鳥類とその由来,第II部 I分布の変遷とその影響,第III部 分布のあり方を探る,第IV部 広域分布研究と保全・管理の4部,全体で13章からなっている。
空間分布をめぐる研究は,近年,保全をめぐる動きのなかでも注目される生態学の中心課題のひとつである。とくに,希少種の生息条件の解明,生息域の分断・孤立化が個体群の存続に及ぼす影響評価,新たな生息地創出に向けての環境管理,分布や個体数の動向を監視する調査手法の開発などのかかわりのなかで重要な役割を果たしている。本書はこうした問題をも視野にいれながら全体を構成している。
担当する執筆者は,関連分野で活躍する17人の主に若手から中堅の研究者である。
本書により,読者は鳥類の空間分布をめぐる研究の現時点での到達点を知ることができるだろう。また,章ごとに記述されている課題と展望から,今後の研究の方向性についても知ることができるに違いない。
著者について
樋口広芳(ひぐち ひろよし)
1948年生まれ
東京大学大学院農学系研究科博士課程修了
東京大学大学院農学生命科学研究科教授 農学博士
主 著 飛べない鳥の謎―鳥の生態と進化をめぐる15章(1996,平凡社自然叢書),保全生物学(編著,1996,東京大学出版会),これからの鳥類学(共編,2002,裳華房),鳥類学辞典(共編,2004,昭和堂),鳥たちの旅―渡り鳥の衛星追跡(2005,NHKブックス)など
黒沢令子(くろさわ れいこ)
1954年生まれ
北海道大学大学院地球環境科学研究科博士課程修了
NPO法人バードリサーチ研究員 博士(地球環境科学)
主訳書 よみがえった野鳥の楽園―英国ミンズミア物語(1995,平凡社),フィンチの嘴―ガラパゴスで起きている種の変貌(樋口広芳と共訳,2001,ハヤカワノンフィクション文庫),鳥たちに明日はあるか―景観生態学に学ぶ自然保護(2003,文一総合出版),鳥の起源と進化(2004,平凡社)など
●著者紹介(五十音順)
天野一葉(あまの ひとは) :滋賀県立琵琶湖博物館特別研究員
植田睦之(うえた むつゆき) :NPO法人バードリサーチ代表
江田真毅(えだ まさき) :鳥取大学医学部助教
加藤和弘(かとう かずひろ) :東京大学大学院農学生命科学研究科附属緑地植物実験所准教授
金子正美(かねこ まさみ) :酪農学園大学環境システム学部教授
黒沢令子(くろさわ れいこ) :NPO法人バードリサーチ研究員
小池重人(こいけ しげと) :新潟県立新潟養護学校教諭
島彦人(しまざき ひろと) :国立環境研究所NIESポスドクフェロー
鈴木 透(すずき とおる) :酪農学園大学環境システム学部助教
高須夫悟(たかす ふうご) :奈良女子大学理学部教授
西海 功(にしうみ いさお) :国立科学博物館研究主幹
長谷川理(はせがわ おさむ) :エコ・ネットワーク研究員
樋口広芳(ひぐち ひろよし) :東京大学大学院農学生命研究科教授
藤田 剛(ふじた ごう) :東京大学大学院農学生命科学研究科助教
百瀬 浩(ももせ ひろし) :中央農業総合研究センター鳥獣害研究サブチーム長
山浦悠一(やまうら ゆういち):森林総合研究所森林昆虫研究領域日本学術振興会特別研究員
山口典之(やまぐち のりゆき):東京大学大学院農学生命科学研究科特任助教