丁寧に描かれた鳥のカラーイラストが随所に挿入され
実に実に美しい本です、装丁もその内容も。
『鳥の仏教』この貴重な仏教経典は、
中沢新一さんの豊かな日本語で翻訳されています。
本からの抜粋ですが、どうぞご想像下さい。
「そこには、トルコ石のように真っ青は色のたてがみを持つ、
堂々とした獅子のような氷河がそそりたっていました」
「白檀、沈香、樫、オリーブ、胡桃、樺など、
たくさんの種類の木々がうっそうと生い茂る森がありました」
そんな舞台です。
そこへカッコウに姿を変えた観音菩薩様が、
多くの鳥達と問答を始めます。
「世界は無情であることを、よくお考えなさい」と。
セキレイ、ライチョウ、フクロウ、孔雀、ヒバリ、ウズラ、数々の鳥達が、
めいめい実にユニークな鳴き声を発しながら言葉を交わします。
ツグミなら、「チュウロン、チュウロン」
赤いライチョウは、「ティクティクメ」
なんと耳障りの良い鳴き声でしょうか。
鳥達の語り合う内容はブッダのお経ですので、
理解するのは至難の業だと感じます。
けれども書かれている物語は平易で色鮮やかな絵巻物のようで、
寝る前に読んでいるうち、
夢の中で悟りを開けそうな気分になるのです。