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鯨人 (集英社新書)
 
 

鯨人 (集英社新書) [新書]

石川 梵
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

銛一本で鯨に挑む、インドネシア、レンバタ島、ラマレラ村の民のドキュメンタリーです。痩せた土地で食料不足に悩む村では、鯨が捕れれば2ヶ月村人全員が食べていけます。家族を、村人を食べさすために、男たちは命を賭けて巨大なマッコウクジラに銛一本で挑みます。女たちはそんな男たちを陰で支えています。
写真家である私は当初、勇壮な鯨漁に惹かれ、4年間かけてその瞬間の撮影に成功しました。しかし、鯨の断末魔の叫びを耳にしたとき、海の上には人間の物語があるが、海の下には鯨の物語があることに気づきました。そこで鯨漁を、今度は海の中で撮ることにしました。鯨の気持ちになって撮ることにより、ふたつの視点から鯨漁というものを見つめることができると考えたからです。断末魔の鯨の眼に表れる感情を撮る、という試みはたいへん困難を極めました。成功するまで、さらに3年がかかりました。
ラマレラの鯨社会は、江戸時代の鯨組を彷彿させ、そこにいると、過去の日本に迷い込んだような錯覚を覚えます。ラマファと呼ばれる銛打ちたちの群像も魅力的です、かつての伝説的名ラマファや、船造りの名匠、鯨人が漂着する前の先住民との交流、日本占領時代の話や、キリスト教が入ってきてからの変化など、村の歴史にも触れました。
今、捕鯨は世界的な問題になっています。鯨を捕るべきか、やめるべきか。実はこんなつましく暮らす村にも、反捕鯨団体が進出してきて村は大変混乱しています。本書では、そうしたラマレラの現状も含め、リポートしています。
最後に一言。本書は捕鯨に焦点を当ててますが、テーマは自然の厳しさと恵みと残酷さと優しさです。この書を通じて、生かされていることのありがたさと、責任の重さを少しでも実感として感じてもらえればと願っています。

内容(「BOOK」データベースより)

インドネシア東ヌサテンガラ州に属するレンバタ島のラマレラ村は、銛一本で鯨を仕留める伝統捕鯨で知られている。写真家である著者は約一九年にわたりこの村の様子を取材。世界最大の生物に挑む誇り高き鯨人達の姿と、村の営みに深く根ざす捕鯨文化の詳細を記録し、ついには捕鯨の水中撮影を敢行する。だが、この村にもまた、グローバリゼーションの波は押し寄せていた。…。岐路に立つラマレラ村とその捕鯨文化を雄渾に活写する、比類なきネイチャー・ドキュメンタリー。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/2/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087205789
  • ISBN-13: 978-4087205787
  • 発売日: 2011/2/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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命の糧とは 2011/3/23
By 346
形式:新書
一気に読み終えました。
こういう現場へは私自身を含めた一般人はなかなか行かれるはずもなく、だからこそ著者のこの村への思いが半端ではないことが伝わってきました。
命を奪って生きる糧とすることは、その命を弄ぶのではなく、神に対するかのごとく感謝の念を強く持っていてこその行為。
だからこそ自分達も命をかけている、というその民族の生きざまが、強烈に心のなかに流れ込んできました。
その土地に根付いている文化が、それを是としない他所から来たはるかに便利な文明が押し付けようとする文化によって崩れ始めていく様など、本当の豊かさとは何かという問い掛けや、感情論だけでは語れない物がこの本にはありました。
可愛いから、可哀想だから、知能が高いから殺してはいけないという理屈が、とても浅はかなものに思えるようになります。
命とはなんなのか、命在るものが生きていくこととはどういうことなのか、改めて考えさせられた本です。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By happybear0823 VINE™ メンバー
形式:新書|Amazonが確認した購入
この地は、はるか遠く南の島、日本から直線距離で約5000km、インドネシアのレンバタ島のラマレラ村。
銛一本でマッコウクジラを仕留めるという伝統の捕鯨のワンショットのために、4年通い続けて、最終的には7年もの月日を経るというドキュメントです。
まずは、表紙に掲載された、その勇猛な姿をショットした写真に圧倒されてしまいます。
機械を使わずに、人力で船を漕ぎ、深く潜水した鯨が再び現れるところを風向きや潮流などと勘により予想して先回りし、銃を使うことなく、鯨が好位置に表われば、満身の力で銛を打つというもの。
まさしく、人と鯨の戦いなのです。
それは、命を落とすこともある危険な漁であり、いつも紙一重の生死をかけた凄まじい光景なのです。
そんな様子を、本書ではドキュメンタリーにルポしています。
本書の目玉とする部分は、やはり4年の歳月をかけて、ようやく目にした捕鯨の顛末であり、それは一瞬の出来事のように感じますが、みなぎる渾身の力で筆をしたためてあり、その時に著者が目にした様子が眼前に浮かんできます。
何よりも、その待ち続けた4年の間に、一日8時間も小船の中で鯨を追い求めてさまよい続けたのですが、その過程で漁法をよく理解し、また、地元民との交流により、クライマックスを迎えるのに相応しい醸成があってこそ、その捕鯨の瞬間に濃密な、感動すら覚える光景となったものと思います。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
鯨という題材の本を読むのは初めてだったがとても面白く1度読み始めるとページをめくる手をなかなか止められなかった。

この本は著者が以前、出版した写真集「海人」と一緒に読むことを強くおすすめする。
なぜなら、写真集中の写真と文中のイメージが合致し、迫力、感動がより大きいものになるからだ。

内容としては、原始的な漁法の鯨漁1本で生活をしている辺境の島に著者が取材に行くのだが、その漁は銛で鯨を突き仕留めるという方法のため、年間10頭程度しか獲れず著者はなかなか、その場面に立ち会うことができない。

著者は鯨を仕留める場面を撮影することに4年、さらに驚いたのが鯨を仕留める瞬間を撮影した後も、自分が人間に殺されていく鯨の「心」を撮影できていないことに気づき3年かけ「鯨の心」の撮影に成功する。
そこからうかがえたのは、著者の写真家としての鯨への想いと執念であった。

人と動物との関係や生命について考えさせられる一冊だった。
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最近のカスタマーレビュー
真摯な好著であるからこそ…。
写真家による好著。

取材の深さも、対象への眼差しも、描写の迫真性も、すべて圧巻だ。... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: 悠史郎
海と、鯨と、そして人
... 続きを読む
投稿日: 8か月前 投稿者: 斉藤健志
写真集を再出版して欲しい!
鯨漁を銛で突いて行うラマレラの人々に焦点を当てたドキュメント。... 続きを読む
投稿日: 10か月前 投稿者: みつば
写真集『海人―THE LAST WHALE HUNTERS』があれば本書の魅力は数十倍になるであろう
このドキュメンタリーは写真集『海人―THE LAST WHALE HUNTERS』を、文章化したものである。... 続きを読む
投稿日: 14か月前 投稿者: Gori
愛しさとせつなさと力強さと
誰かのヒット曲の様ですが・・、以前同じテーマの写真集「海人」を見ました。映画グラン・ブルーの様な蒼く、深く、優しくそして厳しい、海そのものを生活の全てとしそれに身... 続きを読む
投稿日: 14か月前 投稿者: subaru
捕鯨問題についてかんがえさせられました。
こんなにつましく暮らしている人々のところにまで反捕鯨団体が来て、運動をしているのに驚きました。この人たちは、自分たちが食べるためだけにもう何百年も細々と鯨を捕って... 続きを読む
投稿日: 15か月前 投稿者: Mii
命の輝きと、生かされていることの重みを感じました。
インドネシア、ラマレラ村の勇壮な鯨漁に魅せられた著者が、長い年月をかけて鯨漁の撮影に成功します。しかし、苦しんで死んでいく鯨の姿を見て、海の上の物語だけではこのド... 続きを読む
投稿日: 15か月前 投稿者: you
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