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魯山人陶説 (中公文庫)
 
 

魯山人陶説 (中公文庫) [文庫]

北大路 魯山人 , 平野 雅章
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

書画、篆刻をよくし、生涯にわたって美食を追い求めた魯山人。「食器は料理のきもの」と唱え、40代後半から本格的に陶器の制作をはじめ、多彩で個性に富む数々の名品を生み出した。みずからの作陶体験と鋭い鑑賞眼をもって、古今の陶芸家と名器を俎上にのせ、やきものの尽きせぬ魅力を縦横に語った“魯山人のうつわ論”。

登録情報

  • 文庫: 357ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1992/05)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4122019060
  • ISBN-13: 978-4122019065
  • 発売日: 1992/05
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tomomi VINE™ メンバー
形式:文庫
備前も萩も唐津も織部も九谷も、種類にこだわりなく作り上げる力は、単なる陶芸家には決して見られないものだ。

最初の人間国宝に推挙されながら、それを拒否したのも、「陶芸職人」ではないぞという強い矜持が感じられる。

柳宗悦たちの民芸運動に対して、超然として「下手物(げてもの)」と断定したのも見識だ。

──「陶芸」だけでもこれだけの“巨人”であるのに、書も料理も文筆も、というのだから、もはや“偉人”というべきか。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
今出版界はちょっとした魯山人ブームと思いますがこれは
漫画「美味しんぼ」とTV番組「何でも鑑定団」の影響が大きいでしょう。
かくいう私も例外ではありません。

ですが本書を一読して思うのは魯山人は海原雄山的な理詰めでは
全くないということです。
本書は室町から江戸初期に至る陶器の名品を写真で見せながら魯山人
が評して行きますが、それは理論的な物ではなくて愛してやまない
美点の賛美であり、時として世評は高いけれども自分は評価しない物
の斬り捨てです。
「なんとも言えぬ美しさ、では評にならない」と書きながらそれ
以上のことが書けないもどかしい思いが伝わってきます。

また本書には柳宗悦やあるいは同時代の陶芸作家を名指しで罵倒する
文章がいくつか収められていますが、その怒りの正体が実ははっ
きりとはつかめないのです。※

いきおい読者の興味は真意を探るために、魯山人とはどういう人間だっ
たのかとかいう方向に強く引っ張られ、それはそれで楽しいのですが
まずは魯山人の書と陶器をなるべく思い込みの無い眼で観てみることから
魯山人の理解を始めるのがどうやらいいようです。

※(例えば本書中で一方では柳を罵倒していますが、他方では呉須を
「民芸に属するもの」として「だから美しい」と書いていたり、そもそも
冒頭から「自分は官展や茶人のためではなくて自分の店で使うための
食器を作るのが目的」というような意味のことを言っています。
なお「下手物」とは上等の物ではない民衆雑器のことで柳宗悦が民芸と
いう語を作る前に自ら「下手物の美」として喧伝したために流行した語
です。)

なお所収の各文章は主に自前の刊行物に発表した物や講演の聞き書きを平野雅章
がまとめた物で、時系列に沿わずに並べられています。戦中の物が無い
のは発言の機会が無かったのか、編集でカットされたのかよくわかりません。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 仮面ライター VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
  
 なぜあなたは陶器を作るようになったか、とよく人から訊ねられるが、自分は言下に、それは自分の有する食道楽からそもそもが起こっていると答える。自分は幼年の頃から食味に趣味を持ち、年と共にいよいよこれが興趣は高じて、遂に美食そのものだけでは満足できなくなってきた―「なぜ作陶を志したか」(昭和8年)

 北大路魯山人は40歳代から作陶を志した。その動機はまさに「持って生まれた美食道楽」が為せる技であるのだが、そこには「良い料理には良い食器が入用で、良い食器には良い料理が要求される」(昭和5年)という牢固たる哲学が存する。魯山人にとって、「食器は料理の着物」なのであり、実際、彼は「料理をやる人は、食器を勉強しなければいけない」(昭和10年)と強調している。

 他方、魯山人は「私はこの世の中で一番むつかしいことは、美術を知ることと食物を知ることだと思っています」(昭和28年)と虚心に語っている。だが、食物は言うに及ばず、本書にあるように、陶器等の美に対する探求心と審美眼は際立っていよう。魯山人自身も自己の作品は「下手の横好き」と卑下しているけれど、「批評は長じている」(大正14年)と、その自信の一端を示している。

 この『陶説』は、所謂「魯山人三部作」の一巻であり、陶器製作の妙諦を説き、日本の陶磁器における固有美を剖析した、彼の意想が横溢する内容となっている。書と同様、同時代の作陶家等に関する直評などは実に厳しいものがあるが、「やきもの」の美の本質を追究した魯山人の営為は、私たち常人には及びも付かない。
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