著者はマイクロコンピュータ応用の先駆けとなって,学内外に多くの弟子を輩出した。まだ国立大学には産学連携を白眼視するムードが残っている時代に,多くの起業家を育てる環境を作り出した。まさに「大学発起業」の先駆けである。
しかし,文科省が国立大学を独立行政法人化し,「大学発起業」を促進しようとする政策に警鐘を鳴らす。30年に亘って,多くの起業を育て,またその盛衰を見守ってきた著者の言葉にはずっしりとした重みがある。
国立大学が利益に直接繋がらない研究をやめたら,10年後を見据えた基礎的な研究を,一体誰がやるのだろう?バブルの頃には,あらゆる企業が将来の発展は基礎研究にあると競って研究施設を建設したのが…,あまりにも極端!