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ですのでドラマの雰囲気もかなり色濃く印象に残ってしまっているのですが、原作とドラマとに隔たりや違和感はなかったと記憶します。どこかサスペンスの気配を含む、けれども全編を流れるしずかなかなしみ。
作者森田誠吾氏は‘私淑する’作家として中島敦を挙げています。氏の作品に出逢う遥か前から中島敦の愛読者だった私には納得しやすい事実でした。
モーツァルトを評して“疾走するかなしみ”と言ったのは小林秀雄だったでしょうか。中島・森田両氏に、私は“音もなく流れるかなしみ”を感じます。
強いて言うなら登場人物相互の関係に未整理のものも感じられ、読み終えて‘見事!’と言い切れるまでの力強さが中島敦ほどにはなく(尤もそここそがこの作家のオリジナルとも云え、難しいところなのですが)星は4つになっています。
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