1996年翔泳社から発売された単行本を文庫化した作品。
女性は本当に大きなチン○が好きなのか、カタチは関係ないのか、長さは関係ないのか。膣内部には性感はなく、感じることができるのはクリ○リスだけというのは本当か。女性がイクというのはどういう感覚なのかetc…。
著者は、古くは明治・大正時代の文献、学者の書いた研究書(懐かしの奈良林祥「HOW TO SEX」もまな板に上がってます)、そして週刊誌の記事に至るまで、膨大な数の性に関する資料を一つ一つ丁寧に検証、それに著者が先生と呼ぶ風俗嬢たちへのインタビューや自身の経験を重ね合わせることによって、その学説や通説みたいのものの間違いや矛盾を明らかにしていくのだが、まず、その文献が凄い。よく集めたものだと思う。文献の検証の仕方も細かい。一字一句見落とすまいという気迫を感じてしまう。その姿勢は風俗ライターというよりも学者のそれである。
しかし、本書が学者の論文と一線を画しているのは、それが机上のものではなく、“リアル”な実地による検証が行われている点にある。学術的な要素と下世話な要素(あるいは文章)が見事に融合した素晴らしい作品だ。
著者は「横丁の性科学者」と紹介されている。それは著者に対する最大の賛辞に思える。ただの学者にはこんな作品を書けないし、そんな彼らが“リアル”な性を語ることは学者としての体面が許さないであろう。
オトコのチン○をもっとも知るのはオトコではなく風俗嬢をはじめとする女性。確かにそのとおりだよなぁ、とあらためて思った次第。