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しかし、この作品は単なる「青春推理」ではない。登場人物はしっかりと描けているし、昭和40年前後の生活感も存分に伝わってくる。悲しい結末にもかかわらず、爽やかな読後感を覚える東野作品の特徴も既に現れている。さらに、この作品の執筆時、東野氏はまだ20代中盤のはずだから驚きである。 東野圭吾恐るべし!改めてそんな思いを抱く小説だ。
トリック的にはダイイング・メッセージが一応の目玉となっています。初期の密室、前作のアリバイから更に新たなトリックのジャンルに挑んだことになります。しかし、本作の魅力はダイイング・メッセージにあるのではなく、あくまでも事件が起きるまでの事情にあります。物語の主人公がどんな人生を歩んできたかが本作の最大の謎であり、それが解けた瞬間にはうっすらと涙が滲みました。
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