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魔王の愛 [単行本]

宮内 勝典
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「戦え!」という神の声がいつも聴こえていた。聖者のなかには、ちいさな悪魔がいた。非暴力運動の指導者、インド建国の父、マハトマ・ガンジー。多面的な実像に迫る長編小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

宮内 勝典
1944年ハルピン生まれ。60年代末から4年間、アメリカ大陸、ヨーロッパ、シルクロード、インドなどを放浪。80年代から90年代にかけて、9年間ニューヨークで暮らし、世界60カ国以上を歩く。79年に『南風』(河出書房新社)で文藝賞を受賞してデビュー。81年『金色の象』(河出書房新社)で野間文芸新人賞を受賞。2005年『焼身』(集英社)で読売文学賞と、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 375ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/11)
  • ISBN-10: 4103449020
  • ISBN-13: 978-4103449027
  • 発売日: 2010/11
  • 商品の寸法: 19.4 x 14.2 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 372,936位 (本のベストセラーを見る)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By とり トップ100レビュアー
子どもの頃はガンジーといえば「聖人」のイメージしかなく、近年になって、彼の晩年のスキャンダル等を知り、ぎょっとしました。
おかげで彼についての書籍を読みたかったのに、どれを選んでいいのやら。しかしある日、平積みされている本書の、「魔王」というタイトルを見て、「ああ、これなら」と思いました。

文章は評伝というより小説の体裁で、ごくゆったりと進みます。
俗を嫌いながら俗に魅力を感じ続け、目指していた聖人ではなく狡い政治家になっていくガンジー。
断食でさえも政治的かけひきとして利用する、そんな自らをゆるすことができず、達成できなかった平和を遠望し、内心で苦しむ晩年の描写が素晴らしい。
暴露本的ないやらしさはなく、筆者は終始「生まれては消えていく人間の一人」としてのみ「Xさん」に呼びかけ、炎天下、彼の足跡を淡々と辿り続ける。

「人生の行路で、悪魔から神に変わったと正直に言えない人は、どうか、私の幸福をかき乱さないでください」(本文より)

ハンセン病に苦しむ人から自殺はゆるされるだろうかと訊ねられると、「ゆるされるでしょう、しかし方法は断食による餓死をおすすめします」と「Xさん」は言う。
その理由は、「思いとどまったとき、まだ引き返せるから」
・・・これは悪魔の言葉でしょうか? 神? 聖人? 俗人?
悪魔でもあり、神でもある。マレビトは鬼でもある。俗にまみれ性にとりつかれ、身勝手さも臆病さもある、一人の男の言葉、行動、だからこそ心に沁みる。

読後、幼い頃に持っていたガンジーの「聖人」イメージは見事に崩れ、しかしその殻の内側から生まれたのは、いつでも「ろくでもないなあ」「何もできないなあ」と嘆息したくなる、みっともない「自分」に近い何かでした。
強烈なエピソードや大きな起承転結のない物語、ですが読後、あたたかい気持ちになる一冊です。
精神が疲れている時、お勧めです。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ゆん
宮内の話は重くて、自己韜晦が多いので、退屈でした。半分の長さにトリミングしてほしかった。それで逃げていたのですが、今回は、最後までほぼ読めました。

ガンジーを人間として、史実に即して書いております。史実の出先はあっと驚くところにあります。ガンジーは老人になっても、女好きだった。13歳で結婚した文盲の妻に飽きて、これまた文盲の息子を追い出して、息子は路上死。えぐい過去を生きた末に、「聖人」となっていました。

宮内はインドをあるきまわり、己の境涯を重ねて、淡々と精緻にガンジーの実像に迫ります。終始、Xとガンジーを呼ぶ手法も斬新だったような気がします。

正月には是非とも読んでみてください。
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