この本の感想を平たくいってしまえば、”読みにくい”の一言。
作品の質が高いせいなのか?といわれればそれは少し疑問系。ぶっちゃけた話これほど読んでいて”分からない”と思ったラノベは久しぶりです。
この”分からない”という部分がこの作品の世界観や設定、さらにキャラクター達にも反映されているため、内容の続きが気になるのではなく、さながら無理やり学校の勉強を強いられてるがごとく内容を読み進める事に苦痛をともなう感覚を覚えるのです。
専門用語や世界観の説明ページまで用意されているあたり、こういった事態は向こう側も理解していたと思うのですが、読んでる最中に一々用語の意味を確認する事になるので、正直辛いです。
あとはキャラクター達、特に主人公の持ち上げっぷりが凄まじく、拒絶反応を起こすレベル。そこまでに至る過去での不幸な出来事、過程やプロセス等の理由などが軽く説明づけされていますが、主人公の周囲が恵まれすぎていて残念ながら鼻につきます。この周囲の環境というのが、これから主人公が獲得していくような過程が展開されていったのであれば楽しめたと思うのですが(1、2巻はそういった過程もあって楽しめた)
そして何より主人公の思考、こうなってしまった理由はあるみたいなのですが、しかしそれでも感情が超常的すぎて感情移入ができない、何もかもを当然のように淡々とこなす機械的な存在。これがまだ悲劇や不幸、孤独を感じさせる人物だったならここまで批判はしなかったのですが、残念ながら主人公は何故か環境や学友、そして妹など多くの理解者に恵まれているおかげでそんな感情すら浮かんでこない。そしてそんな主人公を賞賛するキャラ達も同時に薄ら寒く、気持ち悪く思えてくるのです。
恐ろしいことに、おかげで読んでいる読者であるこちらが孤独を覚えるのです。
さながら、まだプレイしたことのないRPGゲームのラスボス戦一歩手前の状態のデータがあり、それをロードして初見プレイさせられたような置いてきぼり感覚に近いです。
他の作品にだってこの主人公に負けないくらい俺TUEEE系ともいえる主人公がいますが、彼らは彼らの周りの全てが0(もしくはそれに近い状態)だったからこそ、それらを一つ一つ得ていく過程を主人公と共に体験できるからこそ私達は感動し興奮を覚えたのです。
はじめから100を持っている主人公に、感情移入も共感もできるわけがないのです。何故なら上記でも語ったように”分からない”から
ただこれは、”分からない”という私の意見というだけで
分かる人には”分かる”作品なのかもしれません。