下巻まで読んでの感想です。
端的に言うと、面白くない。つまらなくはないけど、語感的には面白くないというのが近い。
近未来を舞台にしたSFファンタジー、でいいのかな?
設定が緻密にできているのは評価できます。真っ正面から科学と魔法を融合させようとする心意気は大したもので、まあ強引に理屈をくっつけただけでいささか説得力に欠ける部分もありますが、そのへんの好き嫌いは個人差でしょう。僕は専門家でも何でもないので、偉そうなことは言えませんが。
あくまでも僕の感想ですが、やはりキャラクターの魅力が今一つ欠けているのが気になりました。
主人公がやけに醒めているせいなのか、作中に登場するキャラクターが全体的に醒めている印象を受けたというか、年齢の割に達観しすぎている気がしました。上手い表現が見つかりませんが、登場人物は作者から割り振られた役割を忠実にこなしているだけ、といったような感じです。
もちろん、喜怒哀楽をきちんと表しているキャラクターはいるのですが、○○だから愛するのは当然、○○だから怒るのは当然……みたいな境地に達しているキャラクターばかりで、人生で最も多感な時期であるはずの高校生らしくないんですよね。
主人公が醒めている理由は後々明かされていくでしょうけど、僕はこの主人公は好きになれそうにないので、あまり続きを読もうという気分にはなれません。
というか、タイトルに「劣等生」と付いているけど、それを読者に感じさせる部分がほとんど無い所がまた微妙。せめて作中の劣等生要素、社会システム上評価されないという弱みを浮き彫りにして上手に書ければ少しは変わったのかな。
あ、イラストは素晴らしいと思います。丁寧に描かれたカラーイラストはもちろんですが、作中に挿入されている白黒イラストの表現の多彩さも秀逸。