BDを見て最も驚いたのは、ほむらのキャラクター性に関わる、ほんの一瞬ながらも重要なカットが差し替えられていたことです。
それは第10話、3順目のループでまどかを看取ったほむらが、4順目で目を覚ますカット。眉根や目のニュアンスが明らかに変更されています。
TV版では、まどかへの思いを引きずっているかのような悲痛な表情だったのですが、BD版では、痛ましくも何かが吹っ切れたかのような、決意に満ちた表情に変わっています。
ほむらのキャラクター性については、「まどかさえ生きていてくれればいい、という愛のみで支えられている、片思いキャラクター」という説明に傾きやすいようですが(公式評論でもそのような印象でした)、このカットと、10話コメンタリーでの斎藤千和さんの「まどかにソウルジェムを破壊するよう頼まれたとき、ほむらはとても嬉しかったのではないか」という発言から考えると、どうも違うと思いました。
ほむらの願いは「鹿目さんに守られる私でなく、彼女を守る私になりたい」というものでした。それはまどかへの憧れや、追いつきたいと願う悔しさの表れだったのですが、まどかが自分の思いを打ち明け、ほむらがそれに向き合ったこの瞬間にこそ、「鹿目さんを守る私」という願いが叶ったのだと思います。まどかは「嫌なこと、悲しいこともいっぱいあったけど、守りたい物だってこの世界にはたくさんあったんだ」と言いますが、ここには絶望しながらも、魔女となり、魔法少女になったことを後悔したくないというまどかの強い思いが込められています。その思いだけは守らなければならないと思ったからこそ、ほむらは引き金を引く。これは実は、最終回でまどかが全ての魔法少女達に対して行ったことと同じではないでしょうか。
ほむらはその後「キュウべえにだまされる前の、馬鹿なわたしを助けて」というもう一つのまどかの思いに応えるため、何度も時間を繰り返す過酷な戦いに身を投じるのですが、そこで「もう、誰にも頼らない。誰にわかってもらう必要もない」というのは、「まどかだけは生きていてほしい」という愛である以上に、「まどかに信頼され、彼女の頼みを自分のものとして引き受けた以上、(平行世界のまどかを含め)誰に理解されずともその約束だけは守らなければならない」という、「彼女(との約束)を守る私」になってこそ生まれた、ほむらなりの正義感・友達としての責任感の表れなのだと思います。ほむらがまどか一人を通して担った役割を、まどかは最終回で、全ての魔法少女達に対して背負ったのでしょう。
ほむらとまどかの願いは色々と異なっているようで、その立ち位置はどこか通じ合っているように感じられ、個人的にものすごく納得してしまった回でした。シャフトさんありがとう!