決して悪い出来ではないのですが、
オリジナル魔法少女を、3人も登場させた理由がよく分かりませんでした。
おりこを主人公としてとらえるなら、千歳ゆまが魔法少女として登場する理由に対する掘り下げが弱すぎます。
ある発言をゆまに言わせたいという作者の意図は分かりますが、
鹿目まどかをQBの目から隠したという作品内の説明では、理由としてあまりにも弱すぎます。
おまけに、鹿目まどかの自宅を襲撃すれば事足りる「救世」を、他の魔法少女が2人も登校している中学校内で実行する意図、その具体的方法はあまりにも矛盾しています(作品の描写として面白かったのは事実ですが)。
作品内容は面白いのに、上記のおりこの行動の矛盾は非常に残念です。
良かった点としては、
原作アニメ同様に立ち位置の全く異なる魔法少女達が順に主役を引き継いでいく内容を維持しつつ(結局これが、千歳ゆまの立ち位置を不安定かつ不十分にしてしまったのですが)、
魔法少女たちの連携技が描かれていたこと(アニメでは10話以外には存在しない)は非常にうれしかったです。
また、親友の欠片を武器にすることで放ったおりこの一撃(バトル物の主人公としてなら非常に熱いシーン)、その結末は、
誰を主人公として捉えるかで全く違う解釈のできる内容になっており、
原作アニメでも描かれた、「登場人物のそれぞれの視点によって、物事の解釈(善悪,幸不幸など)、結果は逆転する」「個人が良い/悪いと考えて行った行為は、その通りになるとは限らない」というテーマを暗示しています。
総合的には、非常に面白い内容でありながら、上記の矛盾点,説明不足が評価を下げてしまっている残念な作品です。
作品のもう一つのテーマ「清濁両方を割り切って生きることが可能かどうか」、可能ならば十分楽しめる作品です。