表紙を見るとラブストリーを想像させられるのに、読んでみたら3冊通してまるで主人公が商業やお金の工面で頑張るような伝記のような話でした。最新巻は特にその傾向が強い。次巻ではもう少し、夫のケネスが出てきて落ち着くというが、今回に至ってはまるで出番なし。主人公の為に頑張っているところもなければ、会話もない。卑屈なところさえ見えて正直、せつなくなるようなラブストーリー的な話とはかけ離れた主旨の構成だったように感じる。
この物語の男性(ヒーロー)の不人気さは、魅力のなさ、主人公ロザモンドとの接点のなさ、騎士(だというが)騎士らしい心遣い振る舞いが主人公にかけられていないところからくると思う。他巻でもロザモンドが夫のために冷たい飲料水を用意しても、無邪気に使用人を褒める…など、読者の気も主人公の気もそれるようなことを平然とそのままにしてしまっている。
そもそもきっかけはひどい疑いをかけたという割りに、彼女がはっとしてうれしくなるような気遣いが彼には全くない。なんだか、「薔薇の騎士」という言葉だけが独り歩きして、挿絵がなければいったいどんな魅力的な男性なのか想像しづらい。
一方、主人公は夜悪夢にうなされ、忍び込んで様子をみてくれるケネスに寝言で悩みを言う、という場面があるが(そしてケネスはこれがばれることを願っている)これもどうかと・・・実際毎晩あれやこれや泣きながら語って、起きもしない覚えていないというのは、夢遊病の範疇に入るくらい非現実的なのではないかと思った。主人公が頑張る話の流れはそこそこにして、ヒーローとのコミニュケーションやほっとするようなラブストーリーに方向転換してほしい。