『さよならドビュッシー』でこのミス大賞を受賞した著者の最新刊。実は、この間に2冊、著者の本は出版されているんだけど、未読。まずは、「ドビュッシー」とこの本の雰囲気の差に驚いた。
まぁ、前作、『連続殺人鬼 カエル男』は、ホラーものってことは知っていたんだけど、最初の作品の青春モノっぽい作風とガラリと変わった感じが、ちょっとオドロキだった。もともと、ホラー寄りの人なのかな?
内容的には、出だしは上々。あまりホラーものが好きではない私だったけど、製薬会社の研究員が猟奇的な手口で殺害された事件をきっかけに、猫や赤ちゃんがいなくなったり、薬物事件の捜査に暗い情熱を持った刑事の登場や、ちょっと謎めいた被害者の交際相手の女性、ナチとつながる製薬会社など、舞台仕立ては十分で、このあとどんな展開になるんだろうって、期待感をもたせる内容だった。
ところが、後半の展開がちょっと残念。せっかくの材料が生かされないまま、直線的な解決に進んでしまった。惜しいなぁ。もっとふくらませれば、もっと面白くなったのに...