40年振りに第一巻を読んで改めて面白さを感じ、流れで本巻も手に取った。作品の意匠は表紙の裏書で藤子(A)氏が書いている通りである。「ぼく自身いじめられっ子だった。「イジメはやめましょう !」」。これに、藤子(A)氏独特のブラック味を加えたものが本シリーズである。
第一巻では、イジメの問題をいじめられる側の視点で正面から取り組んだ点と、魔太郎が黒魔術を使って復讐するというアイデアが斬新だった。この復讐行動も、藤子作品に良く見られる「こんな事が出来たらなあ〜」という弱者である子供の夢を叶えるパターン(ドラエモンなど)の一つだが、上述の通り、ブラック味を加えている点が特徴である。
第二巻も基調は同様だが、作品として拡がりと芯が出てきた。いじめられる対象を魔太郎だけでなく、猫に苛められるネズミ、同僚に陥れられる魔太郎のパパ、友人に騙される純粋な画家と拡げ、バリエーションを増やした。また、魔太郎の扱う術を「うらみ念法」と称して次々と術を繰り出し、復讐の作法の核を作った。また、この巻の最終回で登場する魔太郎のライバル「切人」は、黒魔術を使う一族を思わせ、これからの展開に膨らみと期待を持たせている。第三巻以降も手に取ってしまいそうである。