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魔の牙 (徳間文庫)
 
 

魔の牙 (徳間文庫) [文庫]

西村 寿行
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

新宿M銀行から一億八千万円を奪った強盗殺人犯を追って、涸沼刑事は南アルプス赤石岳へ分け入る。折からの暴風雨。湯治場・鹿沢荘には十数名の男女が避難していた。遭遇する刑事と犯人。極限状況に人間の本性が交錯する。長篇ハードロマン。

登録情報

  • 文庫: 361ページ
  • 出版社: 徳間書店; 新装版 (2007/12/7)
  • ISBN-10: 419892712X
  • ISBN-13: 978-4198927127
  • 発売日: 2007/12/7
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 627,517位 (本のベストセラーを見る)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:文庫
読んで10年以上経ちますが、いまだに初読の衝撃は忘れません。嵐の山荘に閉じ込められた人たち、しかし、山荘は少しずつ暴風雨で崩壊を始め、加えて外には凶暴なオオカミの集団が・・。協力しあうべき山荘の中でも、銀行強盗などのならず者たちが、精神的なプレッシャーから破滅的な状況に向かっていきます。とにかく凄い迫力です。ハリウッド映画でもこれほどのスリルは無いでしょう。のめりこめますよ。自分がその中にいるみたいに。その後何十冊もこの著者の本を読んだけど、とうとうこれほどのものとはめぐりあえませんでした。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 1977年刊行。ハード・ロマンと言うよりは恐怖パニック小説。全編サスペンスフルな展開で、本当に容赦なく恐い。

 南アルプス赤石山麓の秘境にある湯治場の宿。台風の接近による暴風雨の影響で孤立してしまったこの山荘では、様々な男女が投宿していた。銀行強盗犯人の男。その犯人を追う刑事。強盗した金を横取りしようと企む暴力団員たち。その他、女子大生グループや老夫婦などの数十人の男女が閉じ込められ、やがて激しい風雨の為に山荘は徐々に倒壊し始めていく。さらにもっと最悪なことに、外には絶滅したはずの伝説の日本狼の群れが牙をむき待ち構えていた。

 心臓の弱い人は観ないでくださいという宣伝コピーの映画が昔あったが、この小説は心臓の弱い人は読まないでくださいということになるのかもしれない。それくらいに本当に恐い。作品によってはどことなくおおらかで飄々とした作風のハード・ロマン小説もある西村寿行であるが、今作ではその恐怖のつるべ撃ちには一切妥協はない。密閉された空間で恐怖の限界に耐え切れず狂気に走っていく集団というのも充分恐いが、やはり一番恐いのは獰猛な狼の群れが襲いかかってくる時の描写。暗闇の中に狂気の赤い眼だけが次々と浮かび上がってくるところなんて気持ち悪いくらいゾッとする。読むには多少の覚悟がいる作品だ。読後感の後味の悪さには辟易するかもしれない。でも、寿行らしい自然界の厳しさを冷徹に見つめる姿勢や、動物に対する尊厳な眼差しが感じられる。
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形式:文庫
はじめて手にした西村作品であったが、息もつかせぬ展開に一気に引き込まれ、西村の愛読者となるきっかけとなった書。

この作品は、狂犬病に冒された狼達と、嵐で孤立した山荘で追い詰められていく人間達が描かれているが、西村作品には、動物や生物などの異常変調と、それにより窮地に追いこまれていく人間が描かれた作品がいくつかある。だが、この作品はそれらの中でも最高峰だと思う。崩壊が迫る山荘という舞台を絞りきった設定が、物語の凝縮度を増すことに成功しているのだ。

たしかに結末は救いようがない。どの人間も助からない。しかし滅亡の状況の中でも自身を貫いていった、何人かの登場人物の心情には引き込まれるものがあるのも確かだ。
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