コシ ファン トゥッテは初めて見たので、比較が出来ないが、印象としては、この版はスタンダードなものなのではないかと思う。
歌手の歌は皆安定しており、安心して聴ける。演出もそつが無い。
目を引くのは、やはりフィオルディリージ役のダニエラ・デッシー。華があるというか、彼女が出ていると、自然に目が向いてしまう。
デスピーナ役のアデリーナ・スカラベッリは、医者や公証人に扮するシーンが秀逸。とても可笑しい。
グリエルモ役のアレッサンドロ・コルベッリは、小柄ながら雰囲気があり、印象が残る。
この版で一番私が気に入ったのは、アルフォンソ役のクラウディオ・デズデーリ。深く渋く甘い声で、酸いも甘いも噛み分けた大人の男を思わせる。
海の背景を上手に使った、気持ちのよいコシである。
問題があるとしたら、何回か大写しになるムーティの姿が、少しうるさかった事ぐらい?
いずれにしろ、モーツアルトは音楽・物語とも非常に楽しめる作品が多く、見るたびに「天才モーツアルト」を実感。
コシは多くの面白い演出もあるようなので、他の版にも期待がもてます!