1989年アレーナ・ディ・ヴェローナの「アイーダ」東京公演のテレビ放送をビデオ録画して持っています。マリア・キアーラの清楚で美しく品のあるアイーダ、ラダメス役ニコラ・マルティヌッチの引き締まった勇姿、すばらしい歌唱力とともにドラマチックな演技が感動的だったアムネリス役フィオレンツァ・コッソットと、視覚的に非常に魅力的で、貫禄がありすぎのミッロ、ドミンゴのメトロポリタンの「アイーダ」より気に入っています。しかし、民放放送のためにコマーシャルが入ったり、ビデオの劣化が顕著になり、最近は見ていませんでした。
そこで、まったく同じ配役のこのDVDを見つけたときはうれしかった。ビデオの代わりになればと、1981年の舞台でずいぶん古いとは思いましたが、購入しました。
結果は悪い予感が的中しました。映像が古すぎます。まるでカラーになったばかりの昔の映画を見ているよう。夜の屋外の舞台なので、撮影技術が悪く、ピントがぼけ、オーケストラやコーラスの音も散って、ともかく古くさい。本の中には1997年や2002年公演の写真が出ているのに肝心のDVDに26年前の舞台を選んだ意図が理解できません。歌手や内容を言う前の問題です。現代にそぐう鮮明な映像としっかりした録音があってはじめて、この企画が意図しているであろうオペラの手引きになりうるはず。私のビデオのほうがまだましです。