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最も参考になったカスタマーレビュー
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ハリウッドの衣裳デザインの歴史は面白い,
By ピックアップ・アーチスト (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 魅惑のいう名の衣装 ハリウッドコスチュームデザイナー史 (単行本)
これまで、アメリカ映画の衣裳に魅せられることは多かったし、イデス・ヘッドなど、一部のデザイナーに関しては、川本三郎著『忘れられた女神たち』などで、かなり詳しく知ることもできた。でも、映画の衣裳デザイナーの歴史だけを網羅してくれる面白い本は、私の知る限りなかった。 この本はそれをやってくれています。イデス・ヘッドはもちろん、ディートリッヒのデザイナーだったトラヴィス・バントンや、『風と共に去りぬ』のウォルター・プランケットといったハリウッド黄金時代の衣裳デザイナーが、詳しく紹介されています。また、『俺たちに明日はない』のフェイ・ダナウェイの衣裳を担当して「レトロ」ブームを起こしたランクルや、『プリティ・イン・ピンク』のストレーカーなど、より近年のデザイナーの革新的な仕事も分析されています。 しかも、面白いのは、衣裳デザインの歴史を、アメリカ社会の変貌や、ファッション業界の変化や、女性の立場の変化などとともに語ってくれていること。そのため、議論に深みがあって、知的な刺激にもあふれていました。 ただ、心から残念だと思うのは、著者の川本恵子氏が、2008年に逝去されたということ。この本も、じつは1993年に出版された本の新装版=再出版だという。だから、ごく最近の映画については触れられていません。これは、かえすがえすも残念。この著者による、『プラダを着た悪魔』や『ジュリー&ジュリア』の論を読みたかったとつくづく思います。 それでも、これはハリウッド・ファッション史の傑作。衣裳デザインの面白さ、デザイナーの苦労(あまりに大変なのでアルコール依存症になっている人が多い)、そして何より、スターたちの魅力をいかに衣裳が演出してきたのかがよくわかって、じつに面白いです。映画のなかの衣裳を「発見」させてくれる一冊。
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