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魂鎮への道―BC級戦犯が問い続ける戦争 (岩波現代文庫)
 
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魂鎮への道―BC級戦犯が問い続ける戦争 (岩波現代文庫) [文庫]

飯田 進
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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魂鎮への道―BC級戦犯が問い続ける戦争 (岩波現代文庫) + 地獄の日本兵―ニューギニア戦線の真相 (新潮新書)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ニューギニア戦線での地獄の体験とは何か。いかなる状況下で戦争犯罪を犯したのか。巣鴨刑務所出獄後も戦争責任を直視し続けてきた元BC級戦犯(現在八六歳)の稀有な思索。過酷な戦場で無残な最期をとげた兵士と戦犯裁判を経て処刑されたBC級戦犯の姿を通して、日本の戦争と戦争責任・戦後責任を根本から問い直す。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

飯田 進
1923(大正12)年京都府生まれ。43(昭和18)年、海軍民政府・資源調査隊員としてニューギニア島へ上陸。敗戦後オランダ軍に戦犯容疑者として拘引され、後に重労働二〇年の刑を受ける。50(昭和25)年にスガモ・プリズンに送還。現在、社会福祉法人「新生会」「青い鳥」の理事長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 382ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2009/6/16)
  • ISBN-10: 4006031890
  • ISBN-13: 978-4006031893
  • 発売日: 2009/6/16
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By bubyuki
形式:文庫
私は、あの戦争で、8割以上が餓死または戦病死した南方戦で、日本兵として戦った経験はもちろんない。
レビューを書くこともおこがましいと感じつつも、しかし、多くの人々にこの本を読んでいただきたく、筆をとった。まず断りをいただき、以下、書かせていただく。
あと僅かに10年。あの戦争で戦った人々のほぼ全てがこの世を去る。
体験を家族にも話さず墓場に持ってゆく元日本兵もいれば、遺言で証言を残してゆく元日本兵もいる。
NHK特集などを見ていると、あまりにつらく、また、話しても理解されないと思うため、むしろかえって死した戦友を冒涜してしまう、との思いから、あの戦争の話を伝えない、伝えることに大きな抵抗感がある、ということが伝わってくる。
戦死者の遺族に本当の死に様を伝えることは酷すぎるという思いも強い。
しかし、あの戦争の体験を、一日たりとも忘れたことはない、いまでもまざまざと戦友の最後をまぶたに思い浮かべることができる、と彼らは例外なく言う。
昔とは価値観も違う。生きていた社会も状況も、現在とはあまりにも違う。体験したものでなければわからない、という言葉がさらに沈黙を後押しする。
しかし、黙して語らず死んでいった元日本兵たちの多くは、過去を記録したメモなどを、劣化させないよう注意深く大切に保管していた。
それはどこかで、理解されなくとも、いや、どんなに努力しても理解させることができなくても、未曾有の経験を伝えたい、伝える義務がある、伝えなくてはあまりにも可愛そうではないか、本当の無駄死にではないか、との衝動に突き動かされてのことではないだろうか。
最早個人のレベルを超えた一つの使命感、感情、本能に突き動かされたからではないだろうか。
本書は、「英霊」いう美辞麗句が、あまりにも多くの日本兵が、戦うことさえ許されず、飢えと病気で、兵士としてはおろか人間としても何らの尊厳もなく、野垂れ死にさせられ打ち捨てられていった、という事実とその理由を見事に隠蔽し、あの戦争の根源に向き合うことを現在に至るまで回避してきた、というこの国、この国の人々のあり方を、鋭く突きつけてくる。
本書は、別段BC級戦犯を描いたものではない。それは筆者が自己を自覚するに至るあくまで舞台装置に過ぎない。
筆者は、一度は深く大東亜共栄圏なるものを信じ、あの戦争に積極的に賛成し加担した東亜青年であった、という事実を赤裸々に告白し、そして、そのことにより野垂れ死にした彼ら兵士たちに対して引き受けるべき責任感があるのだと感じ、本書を著したという。
本書により、読者は筆者から、魂鎮めの重いバトンを手渡されることになる。
月並みな言い方をすれば、この国は、虚心坦懐に、何者をもタブー視することもなく、あの戦争の総括をすること、をしないまま現在に至っている、そこにある問題とは何か、を本書は提示している。
同じ著者による「地獄の日本兵」(この本もすばらしい)以上に深く重い一冊であり、立場を問わず広く読まれるべき本であると思う。
あわせて、別の著者によるものであるが、「初めて人を殺す」、「戦場で心が壊れて」の2冊も読んでいただきたい。
本書とあわせ、ここ5年で読んだ戦争関連の本で、本当に大きく心を揺り動かされた、広く読んでいただきたい本である。
最後に、想像できないほどにさまざまな思いや葛藤、苦しみ、戸惑いなどがあると思いますが、元日本兵の方々に、今後10年の間に、多くのバトンを手渡して欲しい、と心から願います。私たちが再び誤りを犯さないように。
私たちは、そのバトンを必ずちゃんと引き継いでゆきますから。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 元BC級戦犯であった筆者がニューギニア島で犯した自らの過去の犯罪を抉り出し、第二次世界大戦という戦争から、高度経済成長で倫理を喪失した日本は何を見出して学んでいくべきか、その問いかけをまとめたものです。
 筆者は東京裁判は勝者である連合国による一方的な復讐裁判であり、連合国による捕虜の虐待や米軍の空爆そして原爆などの戦争責任も忘れてはならないと説いています。しかしだからといって、日本がアジアで行ってきたことが免責されるわけではないとしています。つまり、アジアの解放を叫ぶ「大東亜共栄圏」や「五族協和」などはアジア諸民族を日本人より格下に設定した日本優位ものにすぎなかったとしています。
 また、慰霊祭などで戦場で倒れた兵士を「勇戦敢闘」し、「その犠牲の上にのわが国の繁栄はある」などの類の言葉が飛び交いますが、筆者はこの二つの文句に懐疑的です。すなわち、兵士たちは食糧不足で餓死したりマラリアなど病死した。また武器がほとんどない中で戦闘し壊滅した。これではとても「勇戦敢闘」とは言えないとしています。後者に関しては、経済的に復興・発展した一方で、他人への関心を失い人間性が退化した今日の日本社会のために死んだとすれば、兵士たちの死は無意味ではないのか、と述べています。他にも大本営参謀の責任や韓国・朝鮮人BC級戦犯の訴えなどを取り上げ戦後責任について考察しています。
 本書は「日本人であること」から生じる責任とその倫理的使命を、戦争という人間が引き起こした愚の産物と向き合って、導き出した労作です。
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3 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 著者は高野山「昭和殉難者法務死追悼碑」碑文に対し「心にふっと違和感がよぎるのを抑えることができませんでした。」、「「刑死された人々のことを空無にすることなく、再びかかる悲劇が繰り返されることなきよう」するために」、「なにかが欠けているのではないのだろうか。」、「碑文の文章からだけでは、未来につながる方向は見えてきません。」」と述べでいます。そして、「閉じられた暗黒の歴史を、白日の下に晒さねばならないのです。」、「それがほんとうの意味での、死者への鎮魂の道だと思いますが、違うでしょうか。」と結ばれています。
 まさしく、「閉じられた暗黒の歴史」を剔抉し、解体することなしに日本の未来はないと思念されます、しからば、「閉じられた暗黒の歴史」とは一体何なのでしょうか。それが戦後60年にならんとする今、古田武彦氏による九州王朝、多元的古代説による解明により、基本的に明かされて来ました。それは、九州王朝の臣下で一豪族の天智、天武(天渟中原瀛真人:アメノヌナハラオキノマヒト諡おくりなして天武天皇という)以下、持統、元明、元正天皇が先在王朝たる九州王朝=倭国の存在、歴史を抹消し、神武以来の自家の系列をもって大和朝廷一元を称し、記紀をもって日本の歴史を偽造したことである。この虚偽の大和一元史観を日本支配の権威とし、以来今日までアジア的迷妄ともいうべき虚偽の歴史を真として来たのである。そして、大日本帝国はこれを万世一系にまで虚構化し、危機に当たり、この虚偽を皇国史観として先鋭化し、西欧近代文明との戦いの精神的支柱として教宣、強要したのである。そして、当然の敗戦、滅亡後もこの本質を明かすこと無く米国占領、支配の具として象徴天皇制のもとに温存し現在に至っているのである。
 有る物を無いとし、これを真とする論理は、逆に無い物を有るとし、黒を白とする虚偽の論理で支えるしかないであろう。この、論理が現在どのように機能しているのか、一瞥してみよう。古代史、国語学では、記紀の神話は歴史にあらずとして、架空の造作とされ、神武東征もまた架空とされる。これを埋めるべく、3〜4世紀に大和の地に突如初期ヤマト王権を仮構することとなる。そして、三浦佑之氏はさらに、金印を偽造とし、古事記序文を後世の偽作とせんとする。菊の万葉学は記紀にその名の見えない、柿本人麿を大和朝廷下の歌人とするしかない。当然、中国史書の「邪馬壹国」、「邪馬臺国」は存在せず、あるのは、「大和国」のみとなる。このような論理が通用するのはアジア的迷妄に呪縛された、箱庭的閉鎖世界でしかありえないであろう。そこでは、真が偽となり、疑問さえ持たなくなってしまう他ない。
 この有るものを無いとする骨がらみの偽論理に真理の裂け目が萌した時、著者は「心にふっと違和感がよぎるのを抑えることができ」ず、「なにかが欠けているのではないのだろうか。」との疑義を招いたのである。
 この探求は、今まさに緒についたところである。これからの永い冷静な真実の歴史、思想探求の旅と、その過程で同時に西欧唯一神論文化の虚をも衝ければ、「それがほんとうの意味での、死者への鎮魂の道」であろう。
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