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23 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
科学の進歩も「守・破・離」なんですね,
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レビュー対象商品: 魂の重さは何グラム?―科学を揺るがした7つの実験 (新潮文庫) (文庫)
単行本「魂の重さの量り方」の改題・文庫化です。タイトルや著者の経歴(イグ・ノーベル賞受賞者)からして疑似科学本かと勘違いしそうですが、内容は至って真っ当な科学史本です。科学の"定説"に挑んだ人々について、著者が当時の事情を十分斟酌したうえで解説しています。第1章:魂の重さを量る(死亡前後の生体の体重変化や熱の重さを量ろうとした人の話)、第2章:物体を動かす(アリストテレスの定説に挑戦したガリレオ。スケール変換に気付く話は「物理学者はマルがお好き」の冒頭のジョーク(「牛を球と仮定します」)を想起させる)、第3章:ツーフィンガーをニュートンに(ニュートンの"光の粒子説"に対し"光の波動説"で挑戦したヤングとニュートン信奉者の対決。二本指で光は"波"と証明が出来る!)、第4章:コルセットを通る稲妻(避雷針の先端は尖ってる方が良い?丸い方が良い?)、第5章:愚か者の金?(近代化学の祖であるボイルは実は錬金術師に影響を受けていた)、第6章:「フランケンシュタインのいのち」(生物電気の発見者ガルヴァーニ v.s. 電気の天才ヴォルタ。それぞれが人間蘇生法と電池の発見に繋がる)、第7章:生命とは何か?(機会論者ルー v.s. 生気論者ドリーシュ)、第8章:結論「必要な謎」、付録:「必要な謎」の小カタログ ビッグネームが打ち立てた"定説"に最初は従うものの、次に疑い、そして独自の説を打ち立てていくという科学の進歩の仕方は、まさに芸能・武道における「守・破・離」と共通する話だなと思いました。(「科学者は頭が悪いと同時に頭がよくなくてはならない」(寺田寅彦 "科学者とあたま")も思い出しました) 鵜呑みにしないこと、論争を恐れないこと、物事を徹底的に突き詰めてみること。これらが科学の進歩を促す訳ですね。そんな訳で、現代人の視点で当時の科学技術の未熟さを笑ってはなりません。(それは いわゆる"下衆の後知恵"(20/20 hindsight)。我々だって未来の世代の人間に笑われる存在なんです、きっと...)
13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
科学への興味をくすぐる1冊,
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レビュー対象商品: 魂の重さは何グラム?―科学を揺るがした7つの実験 (新潮文庫) (文庫)
本書で取り扱われている7つの実験は、非常に専門的なものばかりだが、それを平易にわかりやすく記述してある。副題のとおり、「魂の重さ」をはかろうとした話など、一部は一般的にも興味をひく内容である。そのため、理科系の基礎が無い人でも読めるのは読める。しかしながら、著者は物理学から生物学へと移った人なので、どうしても内容が物理化学的な視点になりがちであるので、多少なりともその方面の基礎が無いと理解に苦しむ点もあるかもしれない。科学的な記述は膨大なデータに裏打ちされなければならず、詳しく知りたい人のために、参考文献(注釈)がたくさんついているが、そこまでして調べる人は本書を読まずに専門書を読むであろうので、わからないところはわからないまま飛ばして、さらっと読む本だと思う。ただ、科学界の良き/悪しき習慣や他の科学者との関係性などにもふれてあり、研究者がどういう葛藤にさらされているかを知っていただくには参考になるかもしれない。
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