NHKで放映されてから,常きげんというお酒は全く手に入りません.それほどこの番組はインパクトを与えました.その主人公,杜氏,農口氏の口述筆記による本です.日本酒の製造がいかに大変なものか.いかに世の中によって歪められてきたか.そしてどんなに大切な日本の文化か.にじみでる本です.米そのものが潤沢に手に入るようになった今日だからこそ,日本酒が今日ほどレベルが上がったことは歴史上無かった.その現代で最高と言われる杜氏である以上,実は歴史上最高の杜氏と言うことになります.歴史を重ねた暁には必ず”酒聖”とうたわれるであろう農口氏の本は持っているだけで価値がある.政府やマスコミの高価なワイン,ウイスキーをたしなむことがセレブの証であるかのような宣伝にだまされ,日本酒という世界的にもまれな精緻な醸造酒を忘れようとしているバカな日本人に本当に価値あるものは自分で確かめろ.とこの本は語りかける.