著者のワイス博士は日々多くの患者と向き合っている精神科医である。ある日、催眠退行療法を実践中に患者がしゃべったことが、実は亡くなった実子からのメッセージであることを知り(その話は『前世療法』に詳しい)、前世を知ることの意味を悟る。その後、フロリダに住むある女性と、メキシコに帰国する直前の男性を別々に治療中、ふたりが語る過去生での体験に共通点があることに気づく。精神科医として厳守すべき個人の秘密を他者に明かすことはできないが、この2人は再開すべき運命にあると直観する。その後、紆余曲折を経て、ふたりは自然に引かれ合うように再開し、結ばれたという実話である。本書では、魂の伴侶(ソウルメイト)を探し当てた幸福な例が、臨床記録にふれて書かれている。
ダイアナ妃が本書を読み「なぐさめられ、心が穏やかになった」と言い、ワイス博士との面会を申し出ていたという。しかし、その2週間後に彼女はパリで亡くなり、面会は実現しなかった。人は必ず、会うべきときに、会うべき人と出会うということに、不幸な結婚生活を強いられていた彼女は共感したのだろうか。人間関係、ことに恋愛関係に悩む人には、心休まる1冊となるだろう。原題は『Only Love Is Real: A Story of Soulmates Reunited』。(齋藤聡海)
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この世界では学術的な職歴の頂点にいる人なのだ。その人が人の心を癒すためにしていることとは、前世療法なのである。前世医療法とは催眠術を用い、患者をトランス状態に導き、この世に生を受ける以前の過去生にたちかえらせる。患者は自分が体験したことのある生まれる前の人生を生々しい記憶と感情を伴いつつ思い出すのである。
この本の主人公であるキャサリンとペドロはまったく別々に、ワイス博士による治療を受けている。ある日、博士は、この二人は過去生の中で、お互いかけがえのない人として愛し合っては、死別したりを繰り返していることを発見する。彼らはソウルメイトであるに違いないと博士は確信したが、医者には、守秘義務がある。博士は彼らにお互いのソウルメイトであるということを告げられないでいた。再び一緒になるために、2000年近くも旅してきた魂が近くにいるのにも関わらず、彼はそれを口にできないのだ。
結局二人の治療は終了し、彼らはその後、別々の国に住むことが決まっていた。しかし、彼らは偶然というなの運命のもと再び再会し、すぐさま深い恋に落ちるのだ。
前世療法というとなにかオカルトめいた響きであるが、よく考えると私たちは何もないところからふっとこの現世に存在していると考えるよりは、輪廻転生を繰り返し、様々なことを学びながら魂が成長していると考える方が自然であるように思う。そのことを信じるか信じないかは別としても、自分のソウルメイトがどこかに存在しているのではないだろうかと考えるとなにか非常に心強くなってくるのは不思議だ。人はそんな壮大な物語の一部なのかもしれない。
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