もやもやとした、やり場の無い気分だ。
どの作品にも、予想もしなかった結末が用意されている。
その結末を知った後にも、すっきりとしない、不完全燃焼の様な読後感が後遺する。
著者の構築する世界には、女性的感性と残酷さが同居し、それでいて、微妙な心理の隙間を垣間見せる。
その世界は、現実の世界を描いているにも拘わらず、どこか幻想的ですらあり、短時間で、その世界に引き込まれる。
そして、読後の余韻には、あまり爽快感を伴わず、やり場の無い気分が、しばらくくすぶり続ける。
本作品集には、この様な傾向の短編ばかりが、収録されている。
表題作、および、以外の作品のどれを取り上げても、短編であるのに、余韻が殊の外長い。
装丁は、ソフトカバーの小さな本だが、カバー絵などにも魅力がある。
八篇の短編は、短時間で読了出来るが、本作品集の真価は、本文よりもむしろ、余韻の方にある。
本書一冊で、少なくとも、八日間以上は過ごす事が出来る。