松本清張原作に基ずく、サスペンスと人間ドラマです。時間は110分と適当です。タイトルと緒方拳、岩下志麻主演というと激しい凄惨な内容が予想されますが、血が出るなどの残酷シーンはなく、恐ろしさは精神的なものです。アメリカ販売のDVD(The Demon)では“ヒッチコックのような“という表現がとられています。実の母親の小川真由美に捨てられた3人の子供に次第に殺意を抱いていく緒方と岩下ですが、何気ない出来事が殺意につながるシーンや、犯行にいたる直前の親と子供との間に生ずる緊張感がこの映画の最高のサスペンスです。最後まで抑えた演技の緒方、美しいだけに怖い岩下の主役に加え、人のいい蟹江敬三、婦人警官の初々しい大竹しのぶなど脇役も光ります。人間ドラマとして終わらず、さすが松本清張と思わせるトリックも楽しめますので、ミステリーファンにもお薦めです。性描写は穏当で、犯行そのものの残酷シーンはありませんので、小学生高学年くらいからの鑑賞が適当です。最後に、あくまで、スリラー・サスペンス映画ですので、最小限の予備知識で鑑賞するのが適当です。その点で、商品説明などにストーリーの9割が書かれていることがありますので注意が必要です。