面白いゲームが作れるからって、面白い小説が書けるとは限らない。
そんな子供のような反発で避けていた桝田省治の最新作、今回は時代物だというので読んでみました。
読了後に猛省。食わず嫌いは敵だと痛感しています。
主軸は二振りの刀をめぐる逃亡劇であり、異能者たちの戦いを描いた退魔アクションです。
しかし、それ以上に印象に残るのがヒロイン夜鳥子と求道の純愛。いささか純愛と呼ぶには難のある人物造詣ですが、ラストまで読めば確かに純愛としか言いようが。
個人的に「微」エログロは看板に偽りありだと思うので万人には薦められませんが、もしも伝奇が好きで、懸命に生き抜こうとするヒロインが好きで、血わき肉躍るバトルも好きで、おまけにまだ「鬼切り夜鳥子」を読んでいないという人がいたら、ためしに読んでいただきたいと思います。
是非ご一緒に、夜鳥子の物語を時系列順に読めるという、遅れてきた読者だけに許される特権を満喫しましょう。