6話の短編が収録されている作品です。連作短編集となっていますが、厳密に言えば普通の短編集です。連作ではありません。3話のラストと4話の初めの1ページにつながりがあるだけです。
6話に共通しているのは、鴉とSという人物が登場することだけです。Sという人物も各6話で登場する6人がそれぞれ別人でつながりはありません。過去作「向日葵の咲かない夏」に登場するS君とも関連がありません。
内容は、サスペンス、ホラー系で、それぞれの話の最後には落ちが用意されています。どれも暗い話ばかりで明るい話はありません。短編集の為、気軽に読める分量ですが、その分、長編作品と比べると物足りなさを感じるかもしれません。
道尾作品を今まで読んできた読者ならば、このような短編集も書けるのかと楽しめるかもしれませんが、この作者の作品を初めて読む人ならば、この作品よりも一般的に評価が高い「ラットマン」のほうが、個人的にはお勧めです。