鉄鍋のジャンの作者が描いているので、迫力たっぷりの紙面。
熱い絵柄にぴったりの素材だと思います。
どんなアングルも自在に描く画力と、意外なほど繊細な可愛い女性が描けるし、顔のかき分けも凄いパターンを持っている、天下一品の画力の持ち主です。
しかし、どうにも熱すぎたりサービス精神が旺盛すぎたりして、余計なことまでしてしまうのが玉に瑕でしたが、本作は今のところそんなこともなく戦国の迫力満載です。
まあ、途方もない事が連続の戦国ですから、余計なことをしなくても十分楽しんで描いているのかとは思います。
とにかく西条真二という作者の絵は、目に力があります。作左や三河武士たちはもとより、信長の狂気を孕んだ目、石田三成の狡猾な目。登場人物たちの目が、本当に凄い。
また、年齢に合わせた外見をかき分けられるのも、特筆すべき点です。
歴史物を描く人は多いですが、当時の年齢を考えたキャラデザインをする人はなかなか居ません。
三國志で言えば、黄忠と言えば老人……というように、固定して描いてしまう。
ところが、ちゃんと石田三成や大谷吉継が若い。大谷吉継はちょっと若すぎる気もしますがw
黎明期の徳川(松平時代)を描けば、ちゃんと全員若々しく描ける……。
これだけの描き分けができる人は、そうそう居ないかと思います。
絵ばかり褒めましたが、ストーリーの見せ方も上手いので、全体的に満足できる歴史漫画です。
もちろん脚色はされていたりしますが、エピソードの取捨選択や間の取り方、見せるべき場所の切り取りなど、非常に考えて居るのが読み取れます。
そして、かなり可愛らしい女性が描けるにもかかわらず、この1巻は女性が出てきたのは2コマ。それも遊女と家康の正室と娘の三人だけでした。
これから先、どのような綺麗な姫が出てくるかも期待しています。
尻切れトンボにならないように、是非ともしっかり描ききって欲しい作品です。
歴史物が好きならば、1度目を通されては如何でしょうか。