強者同志の対談集だ。対談にはいくつかパターンがあると思う。その道の権威に素人が話を伺うインタビューという一方通行パターン。大家がお互いの主張をぶつけるという激突のパターン。さらに同じ嗜好を持つものが、お互いに自分たちの知識をパスしあいながら駆け抜けていく併走パターン。本書は三番目のパターンに当たる。
ご存じのように荒俣さんは博識でもってならしている、多方面の権威である。その氏が楽しそうに相手と補間しあいながら話が進むのである。これが面白くないわけがない。小松さんもプロフィールで、その実力推して知るべしという方だ。
表題は「遷都」とあるが、中身は日本の「街」や「都市」の成り立ちと、その欧米との違いに関する分析だ。それを三つ「風水における地相」「精神的な背景」「情報ネットワーク」の切り口で縦横に語り合っている。多岐にわたる内容は、参考文献を今後読む楽しみを広げてくれるし、何より実力が均衡しているお二人のキャッチボールのような会話の進み方が圧巻だ。
読書の楽しみを広げてくれる一冊だと思う。