1987年秋リリース、当時はロジャーとデイブがピンクフロイド名義をめぐって裁判で争う状況だったので、ロジャーは不参加、ベースはトニーレビンが弾いている。ロジャーと仲が悪かったリックが代わりに復帰している。(次作でリックはさらに大活躍する)、ロジャー抜きフロイドの初アルバムだが、ロジャーがいないので「ファイナルカット」のようなささやきボーカルや、フォーク調の曲はなくなり、恐竜のような重くのしかかるミディアテンポの貫禄のある曲がずらりと並ぶ傑作になった。アルバム全体を通して重く、暗いムードが漂い、20代のリスナーには踊れない内容になっている。シングルカットされた「ラーニングフライ」は大ヒット、「ターニングアウエイ」は88年3月の東京代々木ライブの前半のハイライト曲だった。あのライブは仙台行きの夜行バスの出発時間に遅れるので、アンコールの「ランライクヘル」を聞けなかった。今でも残念だ。このアルバムの成功に自信をつけたデイブとニックは1年以上におよぶ世界ツアーを実行し成功している。次作の「対」は「鬱」よりも明るさが増し、さわやかな作品に仕上がっている。21世紀に入りフロイドの新作は発表されていないが、ライブ8のようにオリジナルメンバー4人で活動再開して、また優れた作品を作ってくれることを期待する。